ジュニアテニス備忘録(17)コーチングはシンプルに(その1) | 柵飯事2~shigaramimamagoto ~

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yahoo からの引越し組です。
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たまにユーロロックや日常についても投稿してます。

1 ごく簡単にADHDについて

 何度もこのブログで触れているとおり、一昨年にジュニアテニスを引退した我が息子は注意欠陥多動性障害(ADHD)のうち注意欠陥の部分が顕在化している人です。簡単に言えば、メモリは良いが、古いCPUを使っているパソコンのように同時に複数の情報処理が苦手な特性があります。よくある例が、部屋を片付けられない人、ですね。部屋の整理整頓って片付ける場所、順番など複数の情報を同時に考えながら作業するものですが、ADHDの人は作業途中で混乱をしたり、作業中に他の刺激、例えば卒業アルバムを発見したりすると、片付けていることをすっかり忘れてしまうようなような人と言えば分かるでしょうか。

 したがって、こうした傾向から、あれこれ指示されると混乱してしまったり、すぐ忘れてしまったり、朝起きれなかったりといった社会生活上の不具合が生じやすい傾向があります。これに衝動的行動が加わるのを総じてADHDと言っています(ちょっと前は注意欠陥性障害をADDと言っていました。)。

 こう考えると、家事というのは複数の行動を最短でこなそうとするものですから、専業主婦がいかに複雑な作業をこなしているか分かると思います。

 

2 テニスは複雑な競技

 これも以前にも書きましたが、テニスのフォームは非常に複雑な体の動きをするとともに、動くボールに合わせてそのフォームをそのたびに変えて対処するものであって、ゴルフやバッティングのような素振りの反復はあまり意味がないとされています。

 さらには対戦競技であることから、相手の様子を考えながら、自分の調子も考えながら試合を進め、自分の調子の悪いショットは、修正もしなければいけません。

 とにかく、たくさんの情報を一人で処理しなければならない結構しんどい競技の一つだと思います。世にいるADHDの方には申し訳ありませんが、テニスは私の息子さんが勝利するには、かなり不利な競技だと思ってます。公式試合中のパニック、相手のレベルに合わせてしまう、集中力の欠如、そしてイップスなど、練習や練習マッチとは全く違う様子になるのが息子さんの特性で、見ていて本当にキツかったです(笑)。

 しかしながら、ADHDは強めの個性とも言えるもので、障害レベルでない人でもわずかであっても同様の傾向は誰にでもあろうかと思います。イップスや伸び悩みなどですね。こうした困難は、単純な理由からの場合もあれば、複雑な理由のこともあろうかと思います。こうした場合のテニスコーチの指導で、そのセンスが問われますよね。

 

続く