ジュニアテニス備忘録(その3)競技を続けられるのは幸せなこと | 柵飯事2~shigaramimamagoto ~

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たまにユーロロックや日常についても投稿してます。

 現在,競技テニスをしているお子さんをお持ちの親御さんはお分かりと思いますが,競技の入り口にいるお子さんをお持ちの親御さんは,次のことを頭の片隅にでも置かれると、岐路に立ったときに,お子さんと良い話し合いができると思います。
 それは,競技テニスの終わりは,思っているよりもうんと早く訪れるということです。
 
 第一の関門は選手クラスに上がれるかどうかの時期です。競技希望があってっも,良い練習環境,つまり,強い子供たちと沢山打ち合える環境に身を置かなければ,競技レベルには絶対に達しません。しかし,そのクラスに上がれるお子さんは大変少ないということです。もちろん,誰でも練習できる環境で好きなことを続けるという手はありますが,強くはなれません。中学校進学時期までに選手クラスに入れないのであれば,続けるにしても楽しむテニスに切り替えるということとなります。実際、それでも、(強くはなりませんが)高校のテニス部で仲間とワイワイ続けている子がそれなりにいます。
 
 第二の関門は,お子さんが競技が嫌にになってしまう時期です。前にも書きましたが,クラブに通うことになれば,学校が終わればクラブに直行し,遅くに帰宅する,それが例えば週5日あって,休みの日は試合という生活がずっと続きます。長期休みも同じ。勝てなくなったりすると,友達との交流が楽しくなって,練習に来なくなる子は一定割合います。
 また,親御さんがあまりにも支援にのめりこみすぎ,試合について必要以上に怒る場面を試合会場でちょくちょく見ますが,これも競技から離れる原因となるようです。せっかく支援してきても,テニスが嫌いになり、中学・高校進学と同時にテニス以外の部活中心と方向転換する子も一定数います。思春期ということもありぐれてしまう子、親御さんの経済的事情などで退出してしまう子。勝てないことに嫌気が差して全日本ジュニア出場経験がある子もあっさりやめてしまった例もそれなりにあります。
 
 第三の関門は,高校受験です。学業よりもテニスを優先する子が結構いますが,やはり将来のために学業もということであれば,受験対策をしなければなりません。長ければ半年以上ブランクが空きます。これで,一気に休まなかった子との差が開くのは間違いありません。全国レベルの選手だった子は,ブランクがあってもそれなりに上位につけられる場合もありますが,実力もモチベーションも以前よりも上がらずに,そのまま入学とともに引退,または,楽しむテニスに移行するケースがあります。一番伸びる時期に受験で半年休むのは厳しいです。
 
 第四の関門はケガです。特に体が大きくなる高校生でケガをすると長い休養を必要とすることもあり,そのまま離脱ということもあります。
 
 第五の関門は大学進学ですね。これはどの競技も同じでしょうが,特に女子選手は,あんなに頑張っていたのにあっさりと引退する子が非常に多いです。そもそも進学する大学に競技テニスをする環境がない場合もあり,仮に大学に行っての競技となると,特定の強豪校に入ってのセミプロ活動となることから,ほとんどのジュニアは引退し,せいぜいサークルで続けるにとどめる場合が多いです。
 大学競技部は厳しい練習や、監督や先輩との人間関係、けが、遊びたい気持ちから、離脱してサークルに移行する子も多い。今は退部しても退学しなくて良いこともあり、人生かけていたテニス競技から楽しいキャンパスライフに変更がしやすいと聞いてます。
 
 当たり前の話ですが,大学が終わればほとんどが引退します。以前の記事にも書きましたが,日本ではテニスを支援する企業が非常に限定されており,事実上,実業団形式も取り入れられていないことから,プロとなるのは非常に難しい状況です。大学のトップ選手もラケットを置いて就職し,その後はたしなむ程度にテニスするのが珍しくない世界です。
 
 皆さんのお子さんもあっという間に引退するのがほとんどです。生涯スポーツではありますが,競技テニスを続けるということは,とても大変であり,幸運なことであると思います。
 
 ただ、最近は、競技を続けたいから進学という選択肢だけではなく、若干ですが多様化しつつあるようです。それは別の機会に書きます。