
まだ6月だというのに、劇的に気温が高い日が続き、熱中症で死ぬ話題も風物詩として時期が早まって来ていると思う。
8月頃はもっと暑いのだろうか、日差しが強いだけで気温は変わらないのだろうか。去年か一昨年か、暑すぎて蚊が発生しなかったらしい。かつて寒冷で恐竜が滅びたように、暑さで滅びるのは人間かもしれない、とSFチックな想像も、あながち想像の域では終わらないのかもしれない。
僕は知り合いのツテで、苔玉を土台に花や茎を挿しまくる活動の見学に行くことになった。
よく冷えた室内で、よく冷えた緑茶を頂きながら、伐採した夏の植物らしいものを突き刺せば、アートだ、と崇高な趣味を考え出したものだと思う。
人の頭に花を挿しまくる職人も居ると言うし、横文字で格好の良さげな名前を付ければ何でもそれなりに格好の良いものに聞こえる不思議。それらを解ろうとせず馬鹿なことばかり想像する僕はさながら「インテンションブロッカー」とでも言うべき存在か、と格好の良い呼び名を考えた。
夏の始まりを告げるのは蝉の鳴き声で、涼を取るのは風鈴の音だ、という夏はもう存在しないのかもしれない。僕は腕時計を片付けようとプラスチックのケースを開けると、そこに入れていた時計のゴムバンドが飴のように溶けていた。
想像の域を超えることは意外と近くに転がっているのかもしれないな、と思い、他の容器やギターケース、滅多に開けない引出しの中などに入れている物の無事を確認したかったが、怪物や得体の知れない昆虫なんかが存在している気がして怖くて、冬までそっとしておくことにした。