48.却下 | 司法書士試験 受験知識の復習

司法書士試験 受験知識の復習

司法書士試験合格から数年。
実務に出た後、もう一度受験知識を復習するメモ。
特に受験時代に手薄だった条文を確認する。

不登法→育休中に体系的に復習。
商登法→育休明けに実務で必要になった条文を復習していきます!

48-1. 却下とは


申請の却下とは、登記申請行為を拒否する登記官の処分のことである。


不動産登記法25条および不動産登記令20条に却下事由が列挙されている。



48-2.却下事由の分類


手続的有効要件の欠缺法25条1号・2号・3号・13号


→登記の効力は無効

→登記は「職権抹消」の対象となる。


1号=管轄違い

2号=非登記事項

3号=二重登記

13号=不登令20条で定めるとき



受理要件の欠缺(法25条4号~12号)


→欠缺を看過してなされた登記でも、実態関係に符号している限り有効

→登記は「職権抹消」の対象とならない。



48-3. 却下手続き


登記官は却下決定書を申請人(代理人)に交付・送付する。(不登規38条)


登録免許税は、再使用証明は出来ず、現金還付のみ


還付される書面は、添付書面のみで、申請書は還付されない。





※不登法25条※(申請の却下)

登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、登記の申請を却下しなければならない。ただし、当該申請の不備が補正することができるものである場合において、登記官が定めた相当の期間内に、申請人がこれを補正したときは、この限りでない。

1号 申請に係る不動産の所在地が当該申請を受けた登記所 の管轄に属しないとき。(管轄違い)


2号 申請が登記事項(他の法令の規定により登記記録として登記すべき事項を含む。)以外の事項の登記を目的とするとき。(非登記事項)


3号 申請に係る登記が既に登記されているとき。(二重登記)


4号 申請の権限を有しない者の申請によるとき。


5号 申請情報又はその提供の方法がこの法律に基づく命令又はその他の法令の規定により定められた方式に適合しないとき


6号 申請情報の内容である不動産又は登記の目的である権利が登記記録と合致しないとき


7号 申請情報の内容である登記義務者第65条 第77条 第89条 第1項(同条第2項(第95条 第2項において準用する場合を含む。)及び第95条第2項において準用する場合を含む。)、第93条 (第95条第2項において準用する場合を含む。)又は第百十条前段 の場合にあっては、登記名義人)の氏名若しくは名称又は住所が登記記録と合致しないとき。


8号 申請情報の内容が第61条 に規定する登記原因を証する情報の内容と合致しないとき


9号 第二十二条本文 若しくは第61条 の規定又はこの法律に基づく命令若しくはその他の法令の規定により申請情報と併せて提供しなければならないものとされている情報が提供されないとき


10号 第23条 第1項に規定する期間内に同項の申出がないとき。(事前通知に対する申出)


11号 表示に関する登記の申請に係る不動産の表示が第29条 の規定による登記官の調査の結果と合致しないとき。


12号 登録免許税 を納付しないとき


13号 前各号に掲げる場合のほか、登記すべきものでないときとして政令で定めるとき




※不登令20条※(登記すべきものでないとき)


法第二十五条第十三号 の政令で定める登記すべきものでないときは、次のとおりとする。

一号 申請が不動産以外のものについての登記を目的とするとき。

二号 申請に係る登記をすることによって表題部所有者又は登記名義人となる者(別表の十二の項 申請情報欄ロに規定する被承継人及び第三条第十一号ハ に規定する登記権利者 を除く。)が権利能力を有しないとき

三号 申請が法第三十二条 第四十一条 第五十六条 第七十三条第二項 若しくは第三項、第八十条第三項 又は第九十二条 の規定により登記することができないとき。

四号 申請が一個の不動産の一部についての登記(承役地についてする地役権 の登記を除く。)を目的とするとき。

五号 申請に係る登記の目的である権利が他の権利の全部又は一部を目的とする場合において、当該他の権利の全部又は一部が登記されていないとき

六号 同一の不動産に関し同時に二以上の申請がされた場合法第十九条第二項 の規定により同時にされたものとみなされるときを含む。)において、申請に係る登記の目的である権利が相互に矛盾するとき。

七号 申請に係る登記の目的である権利が同一の不動産について既にされた登記の目的である権利と矛盾するとき

八号 前各号に掲げるもののほか、申請に係る登記が民法 その他の法令の規定により無効とされることが申請情報若しくは添付情報又は登記記録から明らかであるとき


※不登法71条※(職権による登記の抹消)


1項 登記官は、権利に関する登記を完了した後に当該登記が[[不動産登記法第25条|第25条|第一号から第三号まで又は第十三号に該当することを発見したときは、登記権利者及び登記義務者並びに登記上の利害関係を有する第三者に対し、一月以内の期間を定め、当該登記の抹消について異議のある者がその期間内に書面で異議を述べないときは、当該登記を抹消する旨を通知しなければならない。


2項~4項省略




※不登規38条※(申請の却下)


1項 登記官は、申請を却下するときは、決定書を作成して、これを申請人ごとに交付するものとする。ただし、代理人によって申請がされた場合は、当該代理人に交付すれば足りる。


2項 前項の交付は、当該決定書を送付する方法によりすることができる。


3項 登記官は、書面申請がされた場合において、申請を却下したときは、添付書面を還付するものとする。ただし、偽造された書面その他の不正な登記の申請のために用いられた疑いがある書面については、この限りでない。