はてさて、ここまでで……あなたは「言霊の基本」と「人生ゲームの敵キャラ」「あなたの保有する武器」を理解した。素敵なことだ。
でもね。それ(言霊)を発するステージと作用について分かっていないと、なかなかうまい具合に機能してくれない。ここが単なる言葉とちがって、ちょいとだけ言霊がむつかしいところだ。
つまり言霊の弾道が、とのような軌跡を描いて、ターゲットに届くのか? その飛翔する次元は、どのようになっているのか? という理解である。まあ、簡単にいえば――それは空気中を飛ぶのか? それとも水中か? 宇宙空間か? ということ。
それでは早速、著書『魔法の言霊(東方出版刊)』からの引用……
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やさしい次元のお話
ここでは、この世界の次元構造についてお話しする。かといって、ボクが宇宙のすべてについて分かってるわけではない。そんなことが解明できたら、ボクはノーベル賞学者になれる。いや、世界の支配者にだってなれる。もちろん、借りものの理論だ。
だからボクが「たぶん、そうなんだろうなあ」と感じている理論の集大成だ。あなたが「それは、ちがう気がする」と思ったなら、あなたのこころの声に従ってくれればいい。
……中略……
さて、あなたにリクエストがある。
ちょっとばかり息を止めてみてくれないだろうか? そう、二時間程度……
あなたは「なにをバカなことを。死んでしまう」と言うだろう。そのとおりだ、死んでしまうのだ。そこで、ホントに息を止める必要はないけど、想像してほしい。
あなたとボクが向かい合って、ソファーに座っているとしよう。ボクが、
「○○さん(あなたの名前)」
あなたに声をかけたとしよう。あなたはきっと、
「はい、なんですか?」
と返事をしてくれるだろう。
そこで、あなたが息を止めた。二時間後、ボクが、
「○○さん」
きっと、あなたの返事はないだろう。死んでしまっているのだから。でも、ボクから見れば、あなたは二時間前と同じようにソファーに腰掛け、なにも変わっていない。
じゃあ、二時間前、声をかけた時に返事をしてくれたあなたは、どこかにいってしまったんだろうか?
実はそうなんだ。肉体はあるんだけど、あなたは出ていってしまったのだ。この出ていったあなたが、あなたの本体だ。つまり、あなたは肉体に住んでいたんだ。
同じシチュエーションで考えてほしい。
二時間後、あなたはぐっすり眠っていたとしよう。ボクが同じように、
「○○さん」
と声をかけても、やはり、あなたは返事をしないだろう。ボクが大きな声を出したり、あなたを揺り動かしたりして、起こさない限り……
この場合も、あなたは出ていっている。外出中だ。ただ息をし、肉体の機能は止まっていないので、いつでも帰ってくることはできるのだが。
前者のように、あなたが自分の肉体から永遠に離れてしまうことを「死」といい、後者みたいに、ちょっと留守をしている状態を「眠り」と呼ぶ。
そこで、あなた(もちろん、ボクもそうだけど)の本体は、いったい――なにで、どこにいるのか? という疑問が生まれる。
――わたしは、だれなのか?
このことについては、いままで多くの学者や宗教家、神秘家が研究をし、さまざまな論説を発表しているが、決定的なものはない。それは当然のことで、目に見えない世界のことや死後(生まれる前といってもいい)の世界のことなんだから、ある意味、言った者勝ちというところがある。
でも、人生ゲームでは、なんらかの裏づけを用意しないと、プレイを進行することができない。そこで、ボクとしては、いちばんピタッとくる多次元構造説を採用したい。この説を使えば、物理学的にいう並行宇宙も、神秘的にいう幽体とか霊体についても、かなりの説明が可能になる。そして、なにより言霊の働きについて理解しやすい。
並行宇宙というのは、大ヒットしたスティーブン・スピルバーグ監修、ロバート・ゼメキス監督の映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズで、過去にいった主人公がその時代を変えることで、現在、そして未来までも変えてしまう――でも、実は変えたのではなく、ちがう現在や未来を持つ宇宙に向かって次元ジャンプしたということ。時間・空間という存在という概念の中で、同じ時間の流れの中にまったくちがう並行する宇宙が無数に存在しているという考えかただ。このことはブラックホールで有名になった車イスの天才学者スティーブン・ホーキング博士が、量子物理学を追究した結果、たどりついたとされる人間論的宇宙論にも呼応する。
この人間論的宇宙論というのは、あなたのこころの動きを宇宙は反映するというものだ。言い換えるなら、あなたの宇宙はあなたがつくっているもので、ボクの宇宙はボクがつくっている。つまり人間の数だけ宇宙が存在する。なぜなら、あなたが死ねばあなたの(認識できる)宇宙も消失するため、あなたは宇宙と不可分の存在であり、もっというなら、あなた自身が宇宙そのものであるという考えかただ。
こうなってくると、物理学も哲学も宗教もアプローチの方法がちがうだけで、結局は同一のテーマを追求しているだけ――となる。それはそれで正しいんだけど、この話をはじめると、これだけで本が数冊できてしまう内容になるので、ここでは概要と言霊に必要なことだけにとどめ、詳細は専門書に譲ることにする。
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分かったかな?
分からないよね……これだけじゃあ(笑)。でも、なんとなくであっても「言霊は、ボクたちが通常、世界と思っている次元でない経路を飛ぶ」とだけでも分かってくれたなら、それでOKだ。
でもって詳細については、次回からお話ししていこうと思っている。なので、いますぐ理解できなくても、なんの問題もないから、ご安心めされ(^_-)