ごめん。ちょっとばかし、あいだが空いてしまったね。まあ、ボクもボクなりに色々とあって忙しかったんだわな。ご容赦あれ。
けれど、その分、あなたはダンジョンにおける敵キャラについての具体的な特定ができたんじゃないかな？ と思う。じゃあ早速、敵キャラをやっつけて、ダンジョンのクリアを目指そう……といっても、手ぶらじゃマズイのはサルでも分かる。
そこで今回は、あなたが本来は持っている、もしくは努力次第で入手可能な武器についてラインナップしてみよう。
それでは著書『魔法の言霊』からの引用――
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さて、あなたの人生ゲームで戦う妖怪とその特徴、対処法が判明した。でも、しっかりと武器を装填しないと勝ち目はない。もちろん「魔法の言霊」が具体的な武器なのだが、言霊を発するバックボーンを理解していないと、おかどちがいの使いかたになってしまう。
……中略……
例えば「炎の怪物」に「炎の剣」で戦いを挑んでもダメだ。そんな時は「水の鎧(よろい)」に「氷の剣」が必要になる。また妖怪に負わされた傷の回復を図ったり、仲間を獲得する必要があったり、状況に応じた武器が必要になる。
……中略……
夢
あなたの活動エネルギーの根元的存在。あなたのこころの中にかならず存在するが、夢自身は極めてか弱い存在なので、いつでも手厚い看護と細心の注意を払って扱わないといけない。妖怪どもにとっては、最高の獲物でもある。しかしながら、あなたはそこから無限のエネルギーを取り出すことができる。
希望
夢が具体的な形状を取りつつある状態。夢が存在としてのエネルギーなら、活動をはじめたプラズマ状態と考えると分かりやすい。夢の実現になすべきことを具体的に書き表すことで、実際に使えるエネルギーに変換できる。
情熱
あなたに内在するエネルギーが、さらに具体化され、パワーとなった状態。どんなに素晴らしい言葉でも、このパワーなくしては言霊にならない。「魔法の言霊」を発する時の火薬そのもののこと。
大志
夢や希望が、具体的な意志のカタチとなった状態。か弱い存在も大きな志(こころざし)となれば、ちょっとやそっとのことでは、しぼんだり隠れたりしなくなるし、妖怪どもも餌食としにくくなる。この大志の輝きは未来から差し込む光となって、現在のあなたの足許を照らし、導いてくれる。別名「野望」ともいうが、この呼びかたのほうが美しいので、本書ではこう呼ぶことにする。
ロマン
あなたをやさしく包み、守ってくれるアーマー＝鎧(よろい)のこと。鎧という名前とはまったくちがうイメージのソフトなマントのような存在で、あなたの輝きをさらに増幅してくれ、ひとびとを惹きつけてくれる。また、妖怪に一時的に傷つけられたとしても、希望のプラズマで、そっと傷を癒やしてくれる働きを持つ。
勇気
妖怪どもと戦う時ばかりでなく、仲間になってほしいひと、恋人になってほしいひとにコミュニケーションする時、それを力強く後押ししてくれる武器。この後押しなくしては、なにごともできない。特に新しい挑戦にはかならず必要なので、いつも忘れずに携行すること。
継続
あなたは、人生ゲームのプレイ途中で、妖怪に打ち負かされてしまうこともあるだろう。その時、絶対に必要なもの。一時的な敗退は、言霊や武器の選択をまちがっただけで、敗北とはまったく別物であることをしっかり認識しておこう。あなたが、あきらめない限り、敗北はない(あきらめた時が敗北の時だ)。あなたが妖怪と戦いつづける不屈の闘志の根源は、決して派手でもカッコイイものでもなく、地道な継続でしかない。あなたがなんどチャレンジすれば、目の前に立ちはだかる妖怪を倒せるかは、やってみないと分からない。妖怪を倒した時、その挑戦回数が必要回数であったといえる。あなたのねばり強いチャレンジのため、かならず携行しよう。
奉仕
あなたが「魔法の言霊」を使って、夢を実現していく過程で出会うのは妖怪だけではなく、多くのひとやモノとの出会いがある。ひとは、ただひとりでは生きられない。多くのひとやモノに支えられ、生かされることによって生きている。その恩に報いるただひとつの道は、ひとを生かし、モノを生かすことである――。あなたが自分に関わるすべての存在をいかに生かすかを考えさせてくれる武器で、妖怪を倒すためでなく、あなたの仲間や味方を獲得するためのもの。
友情
あなたがいかに「魔法の言霊」の達人になろうとも、ただひとりではなにもできないし、言霊さえ使えない。よしんば使ってみても虚しいし、ひとりぼっちでは楽しくない。仲間が、協力者が必要だ。また妖怪の中には、仲間と連携して戦わないと倒せないやっかいなヤツも多い。その仲間との絆(きずな)をしっかり結ぶための武器。さらに仲間が多いほど、あなたの言霊は谺(こだま)して強力になり、より早く、より確実に妖怪を倒せる。
思いやり
あなたの人生ゲームには、多くの協力者が必要だ。そして協力者が、あなたより強いとは限らないし、問題を抱えていることも多い。でも必要があるから、あなたのゲームに登場していることを忘れてはならない。そんな相手の立場に立って考え、行動するための武器。また運悪く妖怪の手下となってしまっているひとを目覚めさせることのできる素敵な武器でもある。
願望
希望と大志、情熱を合体させたような武器。あらゆる困難に穴を開け突き進むドリルのような存在。ただ、この武器は良否の判断をまったくしないことを認識し、使う時は細心の注意が必要。暴走させると、あなたや仲間を傷つけることもある。でも、正しく使うなら、これほど強力な武器はない。いつも内なるこころに謙虚に訊いて使用方法をまちがえないこと。
知性
あなたが内なるこころの声に耳を傾け「魔法の言霊」を使うなら、あなたと仲間の意識の集合体である英知と森羅万象を司る神さまの叡智により授かることができる武器。妖怪どもが最もほしがる武器だが、ヤツらは絶対に手に入れることはできないもの。だからヤツらは、あなたや仲間の知性が膨らむほど、あなたを操ろうとするので注意すること。あなたがこの武器をしっかりコントロールするなら、立ちはだかる妖怪どもを分析し、行動を予見し、退治の方法を教えてくれる。
忍耐力
継続という武器の中に充填されるエネルギーのことで、使えば使うほど増えるというエネルギー保存の法則を無視した不思議な特徴を持つ。言い換えるなら使った分だけ増えるエネルギー。さらにこのエネルギーは、ほかの「こころの武器」から創り出すことも、また供給することもでき、妖怪どもの攻撃からあなたを守ってくれる。
幸運
あなたは「こころの武器」に「幸運」があることを不思議に思うかも知れない。幸運というと偶然の産物で、どこか遠くからやってきて、その力を発揮してくれるように勘違いしがちだが、それはまちがいである。あなたが一所懸命に妖怪どもと戦い、全力を出しきったのち、こころから祈ることで、救世主のように幸運は、あなたの内側からやってくる存在なのだ。幸運とは、最後の最後にあなたのこころが生み出す最終兵器である。
協力心
あなたから見れば、あなたの人生ゲームの主役はあなただが、仲間や協力者から見れば、そのひとがその人の人生ゲームの主役だ。また、あなたがあなたの夢を実現するために発した言霊は、谺となって彼ら自身の言霊となる。つまり、彼らの勝利はそのまま、あなたの勝利の必要条件となり、あなたの夢実現と連動している。そのため、仲間のゲームに全面支援しないといけないことも多く、その時に有効な武器。仏教でいうところの他力本願(あなたが私利私欲を捨てて、仲間に心底協力することが、結局はあなたの本来の願いを実現する早道)と同義の武器のこと。さらに絶対他力ともいう。
自信
あなたが人生ゲームを歩む時、あなたのアイデンティティ(足場)を確保してくれる武器。神さまが丹念につくった高級品ゲームで歩む道は、平坦な道ではなく、坂であったり、ぬかるみであったり、デコボコであるため、いつも足場を確保しながら進まなければならない。この武器は、あなたが言霊を発する時、その足場を提供してくれる。
決断
「こころの武器」には珍しい、生鮮品のソード(剣)。普段は凍結して携行し、使う時に解凍して使う。解凍後、使うことが遅れると切れ味は悪くなり、さらに劣化が急速に進む。生鮮品なので、腐りはじめると、妖怪「いち日延ばし」や「優柔不断」の格好の餌になってしまう。もし、あなたが抜いたなら、間髪入れずに使うこと。
目標
人生ゲームの道を照らしてくれる灯りのこと。さらに言霊を発する時の照準の役目をしてくれる。その明るさは、大志の大きさに依存する。また、この武器は分割して使うことが可能で、あなたが使用目的に合わせて自由に設定できる。大きいことから小さなことまで、あなたが自分自身の状況に沿って自在に使いこなせるようになること。
向上心
あなた自身を変革・進歩させてくれる基本プログラムで、武器を向上させ、言霊も洗練させてくれる。このプログラムをインストールせずに人生ゲームをプレイしたり、言霊を発するのは、手ぶらでコトに臨むのに等しい。さらにこの基本プログラムは、あなたが使う分だけ、自動的にバージョンアップする。
感動
あなたが味方づくりをする時に最も重要な武器。相手のこころを掴(つか)み、揺さぶり、動かし、思いを共有するためのコミュニケーションや言霊において、論理も説得も計算も単なる支援手段であり、最も力を発揮するのが理論理屈を超えた感動である。この武器は、あなたがドキドキ・ワクワク・ウキウキして使うなら、波動のように拡がり、つぎつぎと伝染していく。
信義
あなたが仲間からの協力を計る秤(はかり)のこと。協力関係というのは持ちつ持たれつ、その時、受けた支援以上のものを仲間に世の中に返していくという決意と行為が重要。いつも、この秤で、そのバランスを考え、仲間に支援を仰ぐなら、かならず快く協力してくれるだろう。ほんの少し貸し越しにするのが、この武器を使うポイント。
礼節
あなたが人生ゲームをプレイする実社会に暮らすひとびとは、そのほとんどが普通のひとである。そのひとたちと上手にコミュニケーションを取るために絶対必要な武器。もちろん、仲間や協力者になったひとにも継続的に使わなくてはならない。とりわけ言霊を発する時、これをなくしては誤爆になってしまう。
まごころ
最も無垢で、キラキラと輝き、相手を虜(とりこ)にしてしまう最高の武器のひとつ。場合によっては敵である存在や妖怪すらも、味方に引き入れてしまう輝きを持つ。ただし、この武器に一切の破壊力はない。でも、ある意味で、この武器の前ではいかなる武器や攻撃も無意味になってしまう。
誠実
あなたの生涯を賭けての人生ゲームのプレイ中、ずるがしこい妖怪「言い訳」や「嘘」はこっそりと、あなたのこころに巣喰おうとする。その時に威力を発揮する武器で、いうならば純白の大きな広がりをつくりだす白い光でできた影のような存在。ちょうど通常の光と影の関係を反対にイメージすればいい。この光のベールを広げることによって、妖怪どもが物陰に潜もうとしても、黒いシミのように姿が見えてしまう。
感謝
「ありがとう」という言霊に充填される武器。ただ、ある意味で攻撃のための武器ではない。あなたが人生ゲームのたびの途中で出会うすべてのものに対して発せされるから。まずは生ある自分自身にありがとう、そして素晴らしい仲間や協力者にありがとう、水に空気に……万物に自分を支えてくれてありがとう、妖怪どもにすら自分を鍛えてくれてありがとう、最初と最後には神さまに「こんな素敵な高級品のゲームをプログラムしてくださって」ありがとう――と。
愛
あなたが本源的に持っているにもかかわらず、最も理解するのがむつかしい武器だ。なぜなら、よく愛情と勘違いしてしまうから。勘違いすると「嫉妬」や「怒り」や「偏狭」といった妖怪を呼び寄せてしまう。誤解の原因は「愛」があまりにもシンプルなものだから、だれもが自分勝手な理解をしようと考えるから。考えてはいけない。あなた自身を空っぽにして、ただ感じるもの。忘れないでほしい――「愛」とは、行為ではなく存在のことを指す言葉であることを……
あなたの「こころの武器」についても、妖怪どもと同様に眼に見えないものばかり。だからゲームの途中で、自分自身が戦っている妖怪が、いったい全体なになのか？ どの武器が有効なのか？ が分からなくなることが、ままあるだろう。
例えば、あなたが仲間の裏切りに憤慨したとしよう。でも、あなたは裏切りと思っていても、仲間は裏切りと思っていないかも知れない。さらにその行為は責められるべきであっても、そのひと自身の存在そのものは別のことなのに、あなたの憤慨は、いつのまにか行為からそのひと自身に向けられていくことだって多いのが実際だ。
もしかしたら責められるべきは、そのひとではなくて、あなた自身のこころの中にこっそり巣喰ってしまった妖怪なのかも知れない。
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今回も武器については全文引用……太っ腹の掲載だ。
ただ、引用文にもあるよう――適材適所じゃなくて……適敵適武器に注意を払わないといけない。さらに相手によっては、場合によっては、時によっては、同じ武器が効かないことだってある。
だから凝視が必要なんだよ。凝視とは「一切の善悪・良否などの勝手な判断を持ち込まない注意深い観察」のこと。そのうえで、あなたの武器を効果的・効率的に使ってくれ！