どんなにイヤでも切れない関係は面白がろうぜ | 魔法の言霊――寿詞(よごと)説法師が贈る人生のヒント

魔法の言霊――寿詞(よごと)説法師が贈る人生のヒント

おめでとうございます!

『魔法の言霊(東方出版刊)』の著者・橘月尚龍です。
ボクが、この本を上梓したのが2002年――
それから世には同様の表現があふれて玉石混合で、
わけ分からん状態になってます。

そこで本家としてのメッセージを発信することにしました。

 あなたに歓びをもたらすのも、あなたを悩ますのも――あなたと「だれか(なにか)」との関係である。すべては関係性に起因する。

 早速、引用だ――

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 きっと、あなたはいうだろう――
「それが赤の他人だったらいいけど、家族だったらそういうわけにはいかない」
「イヤなヤツなのは、あたしの夫(妻)だ」
「困ったことに……我が子がそう」
「いくらイヤなセクハラ上司でも、明日はまた、会社で会わないといけない」
 うんうん、そうだろう。でも本当にそうなのかな?

 例えば、最後に書いてる会社での人間関係。マジでイヤなら、明日は金属バットでも携行して、ヤツがセクハラをしてきたら、会議室に誘惑して袋叩きにしてやればいい。
 えっ「そんなことをしたら会社をクビになってしまう」って?
 そうだろうね、きっと……(笑)。それどころか下手をすると傷害罪で逮捕されてしまうかもね。まあ、これは避けたほうがいいだろう(大笑)。

 でもね、この世で辞めて惜しい会社なんてあるのかなあ? きっと、ないと思うよ。所詮「ゴミづくり」のお手伝いの世界だし。
 たしかに会社を辞めたら、明日からは収入のアテがなくなる。まあ、正確には失業保険が切れるまではなんとかなるかも知れないけど……それでも再就職のアテもなしに辞めるなんてバカだと思うかも。

 はいはい、そうだよね。でも、再就職のアテがあったとしても、あなたは金属バットでの殴打には及ばないだろう。なぜか? 割に合わないからだ。それだけの労力と逮捕されるかも……という犠牲を払ってまでの価値はない。

 そうなんだ。価値がないんだよ!

 ここで起こってることには、大切で崇高なる存在であるあなたが、悩んだり、苦しんだりするほどの価値はないんだよ。でも、ゲームをプレイ中の主役であるあなたを悩ます存在だ。そこで、はじめて課題という意味がある。

 はあ、なにいってるか分からないって?

 じゃあ、こんな風にイメージして見てくれ。あなたはテレビモニターの前でコントローラを操作してゲームをプレイ中だ。もちろん、それは人生ゲームで、プレイ面で活躍する主人公はあなたである。
 つまり、ここで悩み苦しんでいるのは、ゲームのダンジョンに挑んでいる主人公であるあなたであって、けっしてコントローラを握るあなたではないという真実に気づいてほしいのだ。

 もしかしたら、まだ「ん?」かも知れないね。だって、いままでの人生で、こんな風に考えたことのないひとが大半だろうから…。

 いいかたを変えようか。
 あなたが人生の問題……とりわけ人間関係で悩んだり、苦しんでいるのは現実だ。また起こっている事象も事実である。

 ここまでは理解できるよね。

 では「そのシチュエーション(状況)で、もがいているあなたは、いったいだれなの?」と考えてみてほしい。
 そう、人生ゲームの中でプレイしているあなたである。つまり、そこで大変なのはゲーム画面の中にいる(ゲームのほうの)主人公のあなたということ。

 だけど、コントローラを持って、その主人公を操作しているほうの真実のあなたは、悩みも苦しみもしていない。たしかに操作がうまくいかず、敵キャラをやっつけたり、危機を脱出したりして……そのゲーム面をクリアできない状況なので、いろいろと奮闘はしているだろう。
 だけど、コントローラーを操作するあなたは、あくまでゲームをプレイしてる――すなわち、一所懸命に「遊んでいる」のだよ。

 ……中略……

 だからあなたが、どうしてもイヤなら遊ばなければいい。

 おまえなんかイヤなヤツだから、遊んでやらないもんね、べ~っだ!

 ……でいいのである。

 えっ「そんな簡単にいくの……」だって?
 いくよ。
 ウソだと思ったら、あなたから関係を絶って、音信不通にしてごらん。そのイヤなヤツは、あなたの世界から消え失せる。

 こういうとあなたは「夫婦ならまだ、離婚って手もあるけど……親子となると、そういうわけにはいかない」と反論するかも知れない。
 でもね。あなたが本気になれば、親子だって可能だ。あなたが関係を投げ出して、トンヅラをかませばいい。ほれ、世間には「子どもを残して蒸発」「介護疲れで逐電」なんてニュースがごろごろしてる。

 もちろんボクは、けっして「我が子を捨てろ」とか「年老いた親を見捨てろ」なんていってるわけじゃない。尋常な神経ならできないだろう。できないのが普通だ。あくまで「やる気になったら、できるぜ!」といってるだけのことである。
 でも、あなたの内なるこころが、それをさせない。

 ということは、その「できない」相手こそが、あなたのそのダンジョンをクリアするためのボスキャラ――極上の「ネタ」なのだ。これまたゲームの設定なのである。
 さらにいうなら、あなたが切っても、つぎの面に登場してくることだってある。もちろん同一人物じゃない。けど、同じキャラだ。

 例えば――
 夫のギャンブル好きがイヤで離婚したのに再婚相手がやっぱギャンブル好きだった。
 妻の浪費癖に懲りて別れたけれど、つぎの恋人が浪費癖を隠していた。
 イヤな上司に腹が立って転職したけど、こんどの上司も似たようなキャラだった。
 ……てな具合に同様の人間関係が追いかけてくる。
 これも、やっぱ設定。あなたが打ち破る敵キャラなのである。まえにもいったように設定は(残念ながら)変えることはできない。

 だけど、この人生ゲームには、そうでないキャラもたくさんいる。わざわざ、難儀なほうのキャラに煩わされる必要はない。とっとと関係を切ればいい。そうすれば、おしまいだ。なぜなら、ソイツは雑魚(ザコ)キャラだから、切ってナンボである。

 ……中略……

 だから、あなたはコントローラを操作して、主人公のほうのあなたがザコをビシバシと切りまくるのを支援しよう。すると、クリアする面が整理され、ボスキャラもはっきりする。場はシンプルになり、あなたの能力も集中しやすくなるわけだ。

 ……後略……

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 あなたが、イヤでも切れない存在、切ったと思っても再登場するキャラ……それこそが人生ゲームのダンジョンのボスであり、極上ネタである。
 だったらもう、面白がって、プレイし倒すしかないでしょ?