『馬鹿』の語源と、本当の強さについて | 身体からの悟りを目指して ~ 少林寺拳法

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我孫子道院 道院長のブログ

昨日、2月10日は、少林寺拳法の創始者

宗道臣先生の誕生日でした。

(開祖は、1911年2月10日 岡山県英田郡江見村=現美作市の母の実家で生まれた)

 

開祖は、敗戦後の混乱した祖国の姿を見て

「このままでは日本が駄目になってしまう」と憂いて、

祖国復興のために、少林寺拳法による人づくりをはじめられた。

 

そこで昨日の稽古では、下記のような法話をしました。

 

「皆さん、『馬鹿』という言葉の語源を知っていますか?

『馬鹿』とは、中国全土をはじめて統一した秦の始皇帝の跡を継いだ、二世皇帝の胡亥と、その実権を握っていた悪臣、趙高の話が語源とされています。

悪臣、趙高は、国の実権を握っていたにもかかわらず、ついに秦の国を乗っ取るクーデーターを計画し、

その前段として、自分に忠誠を誓うものがどれぐらいいるかを確認するために、

あるとき、胡亥の前に鹿を献上して、「馬です」といったのです。


二世皇帝の胡亥は群臣に「鹿を馬と言うとは、趙高はどうかしている」と笑って話しかたが、

群臣は、押し黙る者、趙高を恐れて「馬でございます」と言う者、正直に「鹿でございます」と答える者と、三つのグループに分かれた。

その後趙高は、「鹿」と答えた家臣たちを敵とみなし、適当な理由をつけて処刑した!

そのため、秦国内では誰も趙高には逆らわないようになったのだが、

その後、強大な国家だった秦はたった数年で、攻め滅ぼされてしまったんだ……。

 

この「指鹿為馬(鹿を指して馬となす)」の故事から、矛盾したことを押し通すこと、社会的な常識にひどく欠けていることを、「馬鹿」というようになったという(諸説あり)。

 

要するに、「悪いことは悪いとはっきり言え、それをやめさせることができる人」がいなくなったら、

どんなに強い国でも、どんなに立派な組織でも、あっという間に滅ぶということ。

 

少林寺拳法で教えている『本当の強さ』とは、

まさに「悪いことは悪いとはっきり言え、それをやめさせることができる人」

であり、

「うぬぼれではない自信と勇気と行動力を持ち、よりどころとできる自分を作ること」

 

『忖度』なんてしていると、あっという間に国が滅びてしまうので、少林寺拳法を学ぶ皆さんは、

ぜひ、本当の強さを身につけてください』

 

こんな話をさせていただきました。

 

 

馬は馬、鹿は鹿……

いいことはいい、悪いことは悪いとはっきり言える世の中を守っていきましょう。

 

 

本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『105