力こそパワー? 力愛不二の「力」とは、どんな「力」? | 身体からの悟りを目指して ~ 少林寺拳法

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我孫子道院 道院長のブログ

「力愛不ニ」は、少林寺拳法の特徴のひとつで、拳士の行動のあり方と、調和の思想を表している


少林寺拳法教範の第一編も、「拳禅一如、力愛不ニの法門、金剛禅について」と題されている

(じつは1952年発行の教範初版本には、少林寺拳法の六つの特徴の中に「力愛不ニ」は入っていない! ご存知でしたか?)


その「力愛不ニ」、簡単いえば「正義正法を守り、平和で幸福な理想境を実現するには、愛や慈悲ばかりでなく、力や理知も必要である」という訓えである


では、その力愛不二の「力」とは、どんな力のことなのか、考えたことはあるだろうか?


一口で「力」といっても、

日本語には、「力」が付く言葉は山ほどある


知力、体力、気力、努力、実力、能力、腕力、脚力、財力、影響力、組織力、情報収集力、老人力、忍耐力、注意力、持続力、記憶力、魅力、判断力、表現力、精神力、実行力、集中力、想像力、免疫力、包容力、決断力、機動力、生活力、生命力、即戦力、語学力、胆力、戦闘力、独力、自力、他力、底力、地力、瞬発力、強制力、政治力、学力、筋力、迫力、協力、暴力、国語力、読解力、分析力、指導力、理解力、説得力、水力、火力、動力、馬力……、etc.


ざっと思いついただけでも、これぐらいあって、ホントはまだまだたくさんある


少林寺拳法の拳士にとっては、行動力はもちろんのこと、団結力連帯力人を巻き込む力や、人と人とを結びつける力、意外に脱力なんかも大事だったりするのだが……


開祖は、この「力愛不ニ」の「力」について、次のように述べておられる


「最後は力である。

人間社会というものは、金力か、権力か、武力か、その裏付けとなる個人の生命力であり、胆力であり、あるいは技術の力である。そしてまた人を組織し、動員しうる統率力……。

みんなこれ、下に力がついとるんだよ。だから拳禅一如とか、力愛不ニとか言うとるけどな、どっちも、力の方を先に出しているぞ。“禅拳一如”なんて言うとらんぞ。拳が先だ。力の方が先だよ」


というわけで、力愛不ニの「力」には、いろいろな意味が含まれている

そのどれもが肝心だったりするわけだが、いずれにせよ、まずはともあれ拳士は上掲のような多様な力を身につけなければなりません

でも、大事な力は一種類だけではないのですから、各々の特性を生かして、自分に適した力から順次蓄えていけばいいのです


我孫子道院には、今月2名の新入門者=待望の親子拳士が仲間に加わってくれましたが、少林寺拳法の稽古は、自分の中の秘められた力に気づく稽古です

そしてその力は、仲間の中で揉まれ、切磋琢磨していく中で、気づくことができるものです

一人寂しく学ぶのではなく、みんなの中で、みんなと一緒に自分の力を伸ばしていきましょう





身体からの悟りを目指して ~ 少林寺拳法

本部の錬成道場に掲げられている「力愛不ニ」の書




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こちらは本部の「旧道場」の「力愛不ニ」

(桜川の護岸工事で、移設されるまでは、こちら側が祭壇だった)


本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『105