すっかりおなじみの月刊秘伝誌
今日発売の10月号には、実技編の第2回として「圧法・整法の実技」が取り上げられていました
少林寺拳法は三鼎三法二十五系 六百数十の技法体系から構成されている
三鼎とは「心・体・智」
三法とは「剛法・柔法・整法」のこと
拳士には説明不要だろうが、剛法は突き、蹴り、受けなどの打撃系技術、柔法は抜き技、逆技、固め技など揉合系技術
そして最後の整法が、経絡秘孔(ツボ)を使った身体調整法となっている
「経絡秘孔」というと、アラフォーの男性なら、80年代に大ヒットした漫画「北斗の拳」を思い出すかもしれないが、人体の急所・経穴・ツボのことを「経絡秘孔」と呼称するのは、我々少林寺拳法だけであり、北斗の拳の作者、原哲夫氏が、少林寺拳法の当身・圧法をヒントに、「北斗の拳」を生み出したのは有名な話!?
経絡秘孔は人体で708穴あり、少林寺拳法ではそのうち78種・138穴を選び出し、攻防・活殺・身体調整に用いている
この秘伝誌の特集の記事にも「少林寺拳法は経絡武術」とはっきりと書かれているし、開祖もカッパブックス(秘伝 少林寺拳法)に、「少林寺拳法と他の武道の最大の違いは、東洋医学の神髄である経脈医法にもとづいて技が組みたてられていることである」と著されていて、剛法、柔法に加え、経絡法があることの重要性を強調している
(経絡法があるから、力や体格に頼らずとも、大剛の者を制することができる)
その経絡法の特集記事が、秘伝誌10月号に掲載されているので、ぜひ参考にしてもらいた
とくに注目できるのは、活法(当身により気を失ったり、仮死状態になった者の意識を回復させる蘇生法)がわりと詳しく紹介されているところ
少々、話が逸れるが、先日門下生の高校生・大学生に訊いてみて判明したのだが、
当今の学生拳士はなんと「当身」が何だか、ピンとこないらしい!!
外国人に当身を説明するのは大変だろうが、日本人、しかも武道に興味のある若者に、「当身」が「?」という時代が来るとは…………
(いまの青少年は、時代劇やチャンバラなどを見ないで育ったので、わからんのだろうな~。まず「北斗の拳」でも読ませるか!?)
というわけで、ここで当身の説明を
少林寺拳法教範には、次のように書かれている
「当身というのは経絡秘孔を用いて人を殺活転倒せしめる技術の名称。(中略)無手武術の中の王者として、古来重きをなして来たのである。(中略)殺活自在の当身技の極意は、筆舌につくせぬ妙機であり、師事して百練千磨、自身で体得するより他に道のないものである」
というわけで、当身というのは効果は絶大だが、そのコツを覚えるのは容易ではない
とくに、圧法などは六段科目なので難しい……
(六段科目=五段位を允可されてから学ぶ技。今年から一部は四段の拳士が学ぶ、五段科目にも取り入れられた)
精通している指導者も限られているし……
(だからこうした秘伝誌の記事などの資料は重要だ)
そんな当身技や圧法をどう学んでいけば、身につけられるかを、先達に訊いたみたことがあります
先達曰く
「経絡法を学ぶなら、まず活法を会得せよ」と
活法は第一活法から、第七活法まで大きく分けて7種類
基本だけでも35種もある羅漢圧法よりは、学びやすいし、救急法としても効果絶大なので、いざというとき役に立つ
第一、活法を学ばずに、当身や圧法の練習をするのは、危険すぎる……
その活法の基本が学べるだけでも、秘伝誌10月号は購入しておく価値があると思うので、ぜひ!!
- 月刊 秘伝 2012年 10月号 [雑誌]/BABジャパン
- ¥990
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自宅用に一冊買ってきたけど、もう一冊買って道場においておこうかな~
ちなみに、この特集の中で、圧法・活法の指導、解説をされていたのは、
本部の川島一浩先生と、
羅漢圧法・締法・活法・整法専門委員会 委員長の濱田宏行先生(愛媛・宇和島道院)でした
◆おまけ◆
これは過日、圧法・整法の第一人者、加藤義秋先生の綾南道院(香川県)にワタシがお邪魔した時の写真です
加藤先生、その節は大変お世話になりました(合掌)
開祖のおっしゃる通り、急所(圧法)の場所や痛さ、攻め方のコツは、自分の身体で体得体解するしかない
(門下生諸君、ワタシだって散々痛い目に遭いながら、一つひとつのコツを学んできているのだよ……)
こうしたコツは、集中して勉強しないとなかなか身につかないので、県教区で「講師をお招きして、研修会を」という声も上がっております(というか、リクエストしています)
まだ具体的なことは決まっていませんが、1年以内には実現させたい(?)と思っていますので、興味のある方はお楽しみに!?
本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『106』