ターゲットによって売場は変わる。
・・・そんなの当たり前だと思う人も多いと思いますが、
なかなかどうして、そうなっていないケースは意外と少ないんです。
ここのカメラ売場は、整然とブランド別に商品が
びっしり並べた陳列棚の列が続いています。
それぞれの列ごとに、一眼レフ、デジタルカメラ
・・・などカメラ商品のカテゴリーごとに
キチンと分けられて品揃えも盛り沢山。
ここに来ればカネラ商品は全部揃いそうな感じが
満載の売場です。
店員さんは赤いチョッキを着ていて、一目で店員と
わかるのですが、各棚ごとにビッタリ張り付いています。
ちょっと前に問題になった2重派遣の問題は、
各メーカーから派遣されていることを提示して
ケアしているようで、メーカー販売員のプレートを付けた
販売員の方もちらほら見かけます。
家電は不調というのですが、この店のカメラ売場は
盛況で、英語や中国語などの外国語も聞こえてきます。
全体のカラーが統一された棚に、ブランドロゴが一番上に
掲出されて、壁面にはそのブランド専用の関連商品(カメラケースなどのアクセサリー)が並べられており、
肝心のカメラは、メーカー支給の什器に設置されて、
棚にキチンと置かれています。
棚の下には商品カタログが各種並べられています。
商品の周りのPOPはメーカー支給のものを利用されており、値札の部分だけ、量販店のものが設置されています。
当然、広告キャラクターのタレントさんのニコパチ写真がしっかりついていますし、各商品の強調したい商品のセールスポイントがしっかり明記されています。
カラーバリエーションとして、モック(商品の形状だけを表現した展示用POP)を全色揃えている感じです。
メーカー支給の什器とPOPを設置されていますから、陳列はブランドごとに見ると整然としてキレイでかっこよく並べられているのが特徴的です。
ただし、ブランドが違うと、デザインの工夫が違うのでお店全体ではトーンが統一されていない様子です。
次に、栃木など北関東で売上をあげているカメラチェーン店を見てみましょう。
店舗に入った途端、「え?カメラ屋さん?」と思うような店舗。
至るところに、明らかに店員が作ったと思える段ボールや色紙などを活用したPOPが盛りだくさんに飾られている。
その合間に、家族やペット、風景などの写真がデコレーションされています。
店舗に入って右奥には撮影スタジオが併設されており、
そこで使う衣装や撮影ステージが見えます。
中央にはカメラの陳列棚がありますが、その奥にレジカウンターがあります。
店舗の左側もカメラの陳列棚が並んでいますが、レジカウンターの前に、飾りのついたマスキングテープで自分の写真を自由に飾り付けることができる作業台があったり、入口左右の壁面にはパソコンが置かれていて、カメラで撮影した写真を出力したり、パソコンで見れたり加工したりできるようになっている様子。
カメラの陳列の奥の壁には、壁面いっぱいのカメラ用のバッグが、かばん屋さんみたいなデザインのバリエーションが圧巻です。
「こんにちは」とか「何か、お手伝いしましょうか」と
声掛けしているので、それで店員とわかる感じです。
肝心のカメラの陳列棚は、棚自体の形状は
先の家電量販店と同じなんですが、
陳列の仕方は全然違います。
ブランド色は一切なし。
商品そのもののロゴと下にあるカタログで、
ブランドを判断するのみ。
陳列棚には、大きくブランドロゴが提示されているわけではないんです。
家族写真やペットの写真がそこに多く飾られていて、
商品の機能より、どんな風に商品を使うのかを、
ひたすら伝えている売場になっています。
たぶん、その商品を使って撮影した写真を、
商品の近くに置いて、こういう写真が撮れるよ、
こういう写真が飾れる生活ができるよ、ということを
店員の手作りのPOPでアピールしています。
これは、自分の部屋のタンスの上にカメラがあるシーンが想起できる売場になっているんです。
で、本題のターゲットを考えている売場はどちらでしょう?
自分の提唱する『モテ売場』としては、後者のカメラ店のディスプレイです。
カメラのスペックを売るのではなく、カメラのある生活がどうなるのかをアピールしている点で
素晴らしいと思います。
このターゲットは、カメラを趣味としている人ではなく、カメラを使って生活を楽しみたい普通の家族です。
だから、このお店には女性が一人でも来店しているのではないでしょうか。
普通のおばちゃんが店員と気軽に話していけるカメラ店になっているのではないでしょうか。
もちろん、家電量販店のような売場を好むターゲットはいないのかというと、そうではありません。
カメラが好きな男性、すくなくとも関心が高いお客さんにとっては、欲しいブランドがサッとわかる売場になっています。
でも、カメラの専門性をアピールするより、カメラが生活の一部になるようなアプローチをした方が、ターゲットを絞りこんでも、市場は小さくないように思いませんか。
ターゲットを絞りこんで、売場やサービスを見直したとしても、共感できる人が多ければ多いほど、その市場は大きくなりますよね。
その意味で、後者のカメラ店のような売場を目指す方が、結果的に良いんです。
あなたの売場にも応用できませんか。
さ、売場にGO!







