「半固定抵抗」というと、小さくて丸い、平たい部品という印象がある。
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回路の抵抗値を調節したり、微妙な設定を行う部品だから、
精密ドライバーの先などで、慎重に回して使うもの、というイメージだ。
しかし、↓こちらの半固定抵抗は、立体的な、珍しい「多回転型」。
単回転ではなく、多回転。
シングルターンではなく、マルチターン。
読んで字のごとく、多く回転させて使うタイプ。
ShopUで販売しているモジュール類でも、最近はこのタイプの半固定抵抗をよく見かける。
で、お客さまから、「この半固定抵抗を回しても、変化しないんですけど…?」
というお問い合わせを、しばしばいただく。
その都度…
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「多回転型」のため少し回しただけでは変化しません。
グルグルと何回も回すような感じで調節してください。
感覚としては本当に、グルグルとひたすら回し続ける感じで試してみてください。
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などと、お伝えし、ようやく問題解決ということがある。
で、そうしたやりとりをしたお客様のなか、ある親切な方から、
今後のためにと、メーカーのデータシートなどを探してご紹介いただいた。
なので、ここに少しまとめておこうと思う。
まず、構造について。
内部はこんな風になっている(メーカーHPより)、
スクリュー型の金属軸を回すことで、歯車が少しずつ回転し、
その歯車に付けられたワイパー型の接点ブラシが、
黒い抵抗帯の上を移動し、抵抗値が変わる仕組みとなっている。
実際に、ひとつ、力まかせに分断、中を覗いてみた。
構造図のとおり、らせん状の軸と、歯車、ブラシ、抵抗膜などが確認できた。
それで、お客様から教えていただいたデータシートを見ると…、
http://www.vshopu.com/item2/2159-0202/3296.pdf
http://www.vshopu.com/item2/2159-0202/296-776415.pdf
「電気的有効回転数……25回転(公称)」と記されていた。
つまり、こいつは「25回転するよ」という設計。
私も今回初めて知って、妙に納得。
なるほど、25回転、有効か。
本当に、グルグル、グルグル、まわして使う部品だったんだなぁ~。
※以下、参考リンク
●メーカーHP
Bourns, Inc.
https://www.bourns.com/ja/home
●半固定抵抗器 ガイド
https://jp.rs-online.com/web/generalDisplay.html?id=ideas-and-advice/trimmer-resistors-guide
●BOURNS(バーンズ)の多回転半固定抵抗
https://blog.goo.ne.jp/onnyo01/e/536c5ebcc7c44555fd85e38c863f9252
●Bourns Trimmer-pot Vol. 2 (Bourns Trimmer - fake or not)
https://www.muffwiggler.com/forum/viewtopic.php?t=120961&start=0&postdays=0&postorder=asc&highlight=
●断面、内部構造
http://hyperground.de/dropbox/ident-a-trim/ident_a_bourns_5.jpg
おしまい。(^_^)/~~