「サイボーグ009 《オリジナル構成版》」の解説、
今回は第3巻の「ベトナム編」です。
印象的な敵サイボーグの「サイボーグマン」に、飛行戦車が出ていますが、
特徴的な見た目のフライング・コプラーズがいないのがちょっと残念かも。
当時勃発していたベトナム戦争。
リアルな戦争にブラックゴーストが暗躍している、という内容で、
今であればセンシティブな内容になるのでだれも書かないですけど、
当時はこういう描写は普通でした。
この巻の特徴です。
第3回配本(2024年9月刊):03(ベトナム編) 236ページ
“戦争”と“平和”をテーマに描いたシリーズ屈指の傑作「ベトナム編」を中心に、闘争の歴史を描くプロローグ、人類の滅亡を警鐘するエピローグを同時収録。
予価:4,400円(本体価格:4,000円 + 消費税10%)
屈指の傑作と書かれていますが、私も異論はありません。
次作のミュートス・サイボーグ編も素晴らしいですけど、終わり方が半端ですし。
また、追加されたプロローグ・エピローグが、
話のクオリティを1段上にあげていると思います。
元となったカラー完全版(「ベトナム/ミュートスサイボーグ編」)が
「週刊少年キング」掲載分のみですので、
《オリジナル構成版》もそれに沿ったものになるでしょう。
ボリューム(ページ数)も236ページと、今回の6巻の中で最も少なくなっています。
さて、私の持っているほかの単行本も見ていきましょう。
まずは、サンデー・コミックスの3巻です。
この扉は、雑誌連載時の表紙をそのまま使っています。
このころ「009」は一定の人気があったようで、
扉のみカラーという回が何回かあります。(2色、4色)
また、これまであった緑ユニフォームはなくなり、
このころから服の色は赤に統一されます。
中身のほうは「ベトナム編」に加え、『別冊少年キング』に掲載された
「黄金のライオン」「クビクロ(まぼろしの犬)」が掲載されています。
「放浪編」の時にあった無理やりな組み込みではなく、
それぞれ独立した話として載っています。
そしてShotaro Worldです。
こちらは4巻になりますが、同じ絵が使われています。
中身も全く同じで、「黄金のライオン」「クビクロ(まぼろしの犬)」が併録されています。
ちなみに私が以前持っていた、旧小学館文庫版の4巻は、
ベトナム編に加えてミュートス・サイボーグ編(この時は「火山島マグマ編」と呼称)の
冒頭数十ページが入っていました。
ミュートス編が300Pのボリュームなので、ボリュームを平均化するための策だったと思われます。
ちなみに「黄金のライオン」は11巻、「クビクロ」は10巻に収録されました。