来月の1巻目の発売が楽しみでしょうがない私。
今回は、底本となっている「カラー完全版」との差異をベースに、
サイトでうたわれている、オリジナル構成版の内容について、
深掘りをしていきます。
上記サイトには、以下の文章が掲げられています。(抜粋)
このたび、石森プロの全面協力により、同作品誕生から60周年を記念する特別企画として、フルカラー、全扉絵収録、デジタル・リマスタリングによる高画質版面といった『サイボーグ009 [カラー完全版]』の特長を活かしつつ、新たな構成基準を設け内容を再編集いたしました。
▼再編集基準
作品の流れや読みやすさを壊さないという観点から、底本BOX版では後半に掲載されていたプロローグ、単行本用描き下ろし等をストーリーに沿った流れで読みやすいよう再構成。
これですけど、どうも説明が回りくどく感じます。
キーワードだけ拾うとわかりやすくなり、
「フルカラー」「全扉絵収録」「高画質版面」に加えて、
「単行本書き下ろしの収録」、「掲載順の変更」がある、いうことでしょうかね。
前半の3つに関しては割と単純で、底本となっている『カラー完全版』そのままです。
「フルカラー」については、雑誌掲載時にカラー(2色・4色)だったものの再現という意味と思われ、
1970年ごろに発売された『カラー版』の再現ではない、ということでしょう。
『カラー完全版』では巻末に『カラー版』の原稿を掲載していましたが、
カラー版原稿はオリジナル原稿を雑誌サイズに
コピーしたものを着色したということですし、紛失ページも多く、
発表されている総ページ数(後述)から考えると、掲載されないと思います。
「再編集基準」が今回の肝ですね。
掲載順が最も影響を受けるのが1巻目の誕生編です。
何度も申し上げていますが、「サイボーグ009」が雑誌『少年キング』に載った際は、
単行本では47ページ目(最初のページを1ページ目とした場合)、
009が鑑別所を脱走するところから始まります。
このページですね。
しかし、このころのマンガのストーリーは展開が早い。
今だったらこの1ページが10ページぐらい使っててもおかしくないです。
秋田書店「サンデーコミックス」をはじめとした、
「カラー完全版」以外ではこの前に収録されている、001~008の誕生部分は、
後から『別冊少年キング』に掲載されました。
カラー完全版では『週刊少年キング』の掲載順に収録をしており、
『別冊少年キング』掲載部分は巻末に収録されていましたが、
これが最初に変更になるということなのでしょう。
実際、第1巻の紹介は以下のようになっています。
第1回配本(2024年5月刊):01(プロローグ/誕生編) 252ページ
「サイボーグ戦士」の雑誌掲載版、009とゼロゼロナンバーサイボーグたちの誕生秘話を描く「誕生編」からなるオリジナル構成。
予価:4,400円(本体価格:4,000円 + 消費税10%)
気になるのが、『再編集基準』1点目の「単行本用書き下ろしの収録」です。
恐らくこれは、ベトナム編(今回は第3巻)におけるプロローグとエピローグの約20ページ、
ミュートスサイボーグ編(第4巻)で20ページ程度追加した「終章」
(『週刊少年キング』誌上での最終回)部分を指すものと思われます。
1960年代の「009」の単行本では、ページの合間に1ページとか2ページを追加したものが結構あるのですが、
それらが入ると左右ページが入れ替わるなど影響が出るので、
今回は入らないと予想していますが、もしかしたら入るかもしれません。
となると、私の知っている中で一番イメージが近いのは、Shotaro Worldになります。
これは単行本としての完全版で、表紙部分は巻末にまとめて収録されています。
単行本ベースですので加筆ページは完全収録。区切りも「誕生編」まで。
唯一、カラーページは完全再現ではないです(一部は収録されています)が、
収録内容としては双璧をなすものになりそうです。
ただ雑誌連載に準じて、毎回表紙が入ると思いますので、
それがブレイクとなり、読んだ印象はだいぶ変わるかもしれません。
後は、紙質とかも気になります。
Shotaro Worldは表紙がコーティングがなく、
劣化しやすいのが難点なのですが、今回はどうなるのでしょうか。
カラー完全版の本体と同じ、つや消しを想像してはいますが。
値段が4倍になるので、それなりのものにはなってほしいです。
あと、話としては地味ですけど、1巻がどこまで収録されるのかも気になります。
カラー完全版は今回の1-2巻部分がまとめて収録されていたので、
今回の区切りがどこになるかがわかりません。
ただ自然に考えれば、Shotaro World版と同じ、
「暗殺者たち」の前までだと思いますが(秋田サンデーコミックスの223ページまで)、
最後のページが見開きの書き下ろし(雑誌にはないページ)なので、
これが収録されない可能性はあります。