三月三日は雛の節供
古くは三月上旬の巳の日の祭りであったことから“上巳(じょうし)の節供”とも
三が二つ重なるので“重三の節供”、陰暦では桃の花の季節にあたるので“桃の節句”とも言われます。
ひな祭りの食べ物と言えば、『ちらし寿司』に『蛤のお吸い物』が現在は一般的ですが、一昔前の書籍には 『菜めし』や『焼き蛤』が掲載されています。
作り方をご紹介いたします
※ちらし寿司のレシピは文末にリンク先を掲載
◆嫁菜めし(なめなめし)◆
“春の料理には苦みを盛れ”というように、上巳の節供のごちそうには、ほろ苦い香りの“嫁菜めし”がおすすめ。よめなの代わりにせりやよもぎの新芽でも代用できます。
〈材料〉(4人分)
米 カップ3 昆布だし カップ31/3 淡口しょうゆ 大3 よめな 適宜 塩 適宜
〈作り方〉
①米は炊く30分前に洗ってザルに上げ、水気をきって炊飯器に入れ、分量の昆布だし、淡口しょうゆを加えて普通のごはんと同様に炊く。
②なめなは塩ゆでし、すぐに水にとり、水けを絞って細かく刻み、鍋に入れてから炒りし、軽く塩を振って下味をつける。
➂ご飯が炊けたらよめなを加え、10~15分蒸らして全体に混ぜ合わせる。
◆焼き蛤◆
雛祭りの膳には貝料理を供える習慣があります。
潮干狩りなどの磯開きといっちすることでもあり、二枚貝は姫を意味することだからともいわれています。
蛤の殻には歯が深く刻まれていて、左右の殻がしっかりかみ合っています。
しかも同形のものが二つとないので、他の殻とは絶対に合いません。
そんなことから貝合わせという遊びが生まれ、夫婦和合の縁起とされています。
〈材料〉(4人分)
はまぐり 8個 塩 少々
〈作り方〉
①はまぐりは前夜から薄い塩水(水カップ4に塩小2)に入れ、砂を吐かせる。
②殻の表面を水洗いし、左右の貝殻を結ぶ靭帯を包丁の刃先で切る。
➂はまぐりの靭帯が右側になるように左手で貝を持ち、右手の指で塩を握って貝殻に振りかけ、模様づけ(化粧塩)する。
④網にのせて中火で焼き、化粧塩が乾く頃合いに、貝が潮(汁)を吹いたら火を止める。
⑤焼きあがったはまぐりをふきんに取って、貝の合わせ目にナイフを入れ、上蓋の貝についている柱を切り離し、塩を敷いた器に盛る。
内裏雛に供える供御(召し上がりもの)は、本膳のほか、桃花酒、白酒、草餅、菱餅などで
白酒はその甘さに誘われてつい盃を重ねることになりますが、桃花酒は重陽の菊酒のようなもので桃の花を浮かした酒ことであろうといわれています。
草餅ははヨモギの新芽を餅に搗き込んだもので、もともとはハハコグサの葉を使われていましたが母子をつくのは縁起良くないとのことや手に入れやすさや香りの良さでヨモギを使うようになったのでしょう。
昔ながらの知恵には旬の素材を取り入れて、心身ともに元気になる工夫がされています
※出典
「伝承日本料理」柳原敏雄著
辻クッキング料理ブック「お祝いの行事料理全集」
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