こんばんは 「ようよう坂町」
今日は夕方から雨がでした。もう梅雨が近いのでしょ
うか。昨日の「リオdeビーチカーニバル」はやはり天気
に恵まれましたね。
6月といえば麦秋といわれています。麦の収穫時期で
す。昔小さい頃は麦飯を食べており、麦の収穫はこの
時期ということが分かっていましたが、今では麦をつくる
人もほとんどなく、麦秋は死語となりつつあります。
そんな中、坂町では「ムラサキ麦」を特産品の材料とし
て栽培しています。
その収穫記事が5日の中国新聞に紹介されました。
その記事は「坂町の特産品の原料となるムラサキムギ
の収穫が4日、同町坂東の畑であった。ムラサキムギ
はもち麦とも呼ばれ、穂が紫色に色づく、町の農業委員
7人が4アールの畑で約80キロを収穫。畑で脱穀し、
JA安芸営農指導センターのビニールハウスに運んだ。
約2週間かけて乾かし、広島市や大竹の業者に製麺
などを依頼する。町での栽培は1995年ころに始まっ
た。町の特産品“芸州坂うどん”と“ようよう饅頭”のあ
んを包む皮の原料として使う」でした。
そのムラサキ麦のことを高校の同級生の小沢康甫さん
から講演で話したいので、写真はないかと依頼が突然
2日にありました。小沢さんは「暮らしのなかの左右学」
(東京堂出版)というおもしろい本を出版しています。
小沢さんはRCC中国放送で現場アナウンサーを経て、
人事部長や財務部長などを務め、2年前に定年、左右
に興味を持ったのは23年前の3月3日のテレビ番組制
作で、内裏雛の左右を露払いに、広く「右と左の不思議」
を取り上げて放送。それに反響が多く、手ごたえがあり、
左右の不思議な世界へとのめり込むようなりました。
神社のしめ縄の太い方と細い方はどちらを向いているか。
太い方は元(ないはじめ)、細い方は末(ないじまい)といい
太い方が右側です。
またこま犬は開口(ア)は右側、閉口(ン)は左側です。神
社は左が上位なのになぜか。神社の鳥居の方から見た
時はそうですが、神様の側から見た時は右が左となりま
す。
ただ、その逆の場合が世界遺産の厳島神社、そして出雲
大社などまれにあります。厳島神社は三姫が祭ってあり、
最上位の市杵島姫命が左側に祀ってあり、出雲大社は両
側に神を祀る摂社があり、向って左側が上位だからとのこ
そんな小沢さんは、私の撮ったムラサキ麦の写真に、「よ
うよう饅頭」「ムギ団子」など手元にある写真も加え、7月
の講演「探訪・瀬戸内の食文化」(仮題)の中で、瀬戸内を
特徴づける団子麦のあらましを紹介されるそうです。
その写真を2日に撮りに行きました。
本当に紫色の穂をしたムラサキ麦です。
坂町は広島市や呉市の近郊で特産品の開発なんて
考えていませんでした。平成6年商工会がその当時
大きな補助金(400万円)であった生涯学習推進事業で
特産品をつくる会を結成し、翌年から町の補助を受け、
坂町特産品研究会を立ち上げました。その会の取り組
みで、やっとようよう饅頭、芸州坂うどんが誕生しました。
「芸州坂うどん」は、坂町産の「ムラサキ麦」(一般的に
は「もち麦」と呼ばれています)を主な原料として用いた
うどんです。
一見するとそばのように見えますが、モチモチ感があり
とても美味しく、食物繊維が豊富なうどんです。
かけ麺、つけ麺のどちらでも美味しく召し上がれます。
2食だし付きで1袋400円で「ひろしま夢ぷらざ」などで
「ムラサキ麦」は、穀類の中でも食物繊維の含有率が
高く、食物繊維のひとつであるβーグルガンを玄米や
小麦粉に比べ約4倍、白米に比べても約10倍も含ん
でおります。
そのためコレステロールを低下させる働きがあり、
大腸がんを抑制する効果があります。特にβーグル
カンは、低下した免疫力を活性化させ自然治癒力を
高める働きがある高タンパク、高ミネラルの栄養価の
高い食材といえます。
小麦より繊維が多く、灰分やカルシュム、鉄分、ビタ
ミンBも多く摂取できます。機能性の高さと栄養価から、
健康食材としてさまざまな調理に利用されております。
うどんへの利用は、もち麦独特の粘りが新たな食感を
与えると話題をよんでおりますし、またロールケーキや
カステラの材料としても、しっとりとした和菓子のような
食感に仕上がるという評判です。
ということで、「ようよう饅頭」も開発しています。
芋アンをビタミンB1・B2やミネラルが豊富な黒砂糖と、
食物繊維の豊富な坂町産のムラサキ麦を主な原料と
した皮で包んだ甘さ控えめの蒸し饅頭です。お土産、
お茶受けに最適です。
その紹介テレビ番組があります。広島ホームテレビの
Jステーション「ふるさとのお宝」コーナーで紹介されまし
た。地元の熱意で誕生「芸州坂うどん」の紹介で始まり
です。
芸州坂うどんです。1パック400円で販売されています。
米作をやめた田んぼを活用し、ムラサキ麦を栽培してい
ます。その場所を私が案内しています。
麦秋の6月ぐらいになると収穫です。
ムラサキ麦入り麺の試作は、町内製麺業者(今は廃業)
の試作で始まりました。最初は生麺で、モチモチとした
モチ麦とはいえ、パサパサとしてすぐ切れ、その配合率
に苦労しました。
試作・試食を繰り返しながら、製品化に成功。イベントなど
で、ムラサキ麦入りうどんを調理して食べていただき、好評
であったので、販売を検討し、保存のきく半生麺としての
しかし、町内業者は生麺しか製造できず、大竹市の中川製
麺さんにお願いし、製造していただくことになりました。
中川製麺さんは、くしくも全国展開で専門家として指導いた
だいたパーティ・フーの中川さんの実家。これも何かの縁と
不思議でした。
ここでもその調合に苦労されたそうです。
「ひろしま夢ぷらざ」で売っていますが、残念ながらうどん
を常時食べられるところは、町内にはありません。季節に
よっては寿し秀さんやシーサイドレストランカリブさんで食
べられます。
ということで、寿し秀さんに牡蠣入りのうどんを作っていた
だき、試食をしました。
ムラサキ麦といっても、ムラサキでなく、そばのような茶
色をしています。だから見た目はそばのようですが、食感
はモチモチとして、うどんとそばの中間の食感で、美味しい
です。
「坂町ブランド開発委員会」で取り組んでいこうとしていま
す。この6月26日には町内に創業塾を卒業された若い
方がケーキ店を開業されます。そのケーキ店で製造・販売
できるムラサキ麦を使ったケーキなどの開発です。
大いにご期待ください。