こんばんは 「ようよう坂町」
今回の「おさんぽクルーズ」は、船で瀬戸内を
行くもので、平素は見ることのできない海から
眺める陸の景色を眺めたり、車で通っている
橋を下から見たり、のんびり(高速船ですので、
早いのですが)した船旅です。
そもそも「海」は船で島と島や陸と陸とを結ぶ
ものでした。瀬戸内海の港は随分栄えていま
した。しかし、車社会到来により、海は道を遮
断する邪魔者になってしまいました。車にとっ
て不便な島には多くの橋をかけ、陸続きにな
るのが悲願でした。今多くの橋がかかり、高速
道の無料化により、瀬戸内海の航路が存続の
危機にひんしています。
車には限界があります。いくら橋をかけて、先
へ走っても、最後は岬にたどり着きます。でも
そこから先には進めません。島国であるニッ
ポンの宿命でしょうか。
それに引き換え、船は港を出ると、瀬戸内海、
そして太平洋、パナマ運河をこえると大西洋、
地中海からスエズ運河をこえるとインド洋、そ
して再び太平洋と、世界一周へとつながって
行きます。船には無限の広がりがあります。
車社会的な自分に限界を感じたら、船に乗っ
て見ましょう。無限な自分に気づくかもしれま
せん。
今回の「おさんぽクルーズ」はそんな思いで乗船
してみました。海からの眺めを一気に紹介しようと
思っていましたが、案外海からの視点はたくさん
ありまして、1回では紹介しきれませんでした。
2回目を紹介します。呉広域地域を過ぎると、大崎
上島町にある中国電力大崎発電所です。
に海に浮かぶ軍艦のような格好をしています。
全島が東邦亜鉛㈱の所有で、同社の契島製錬所
となっています。そのためこの島へは同社関係者
以外は立入禁止となっています。日本の大部分の
鉛がこの島で製錬されています。初めて見ました。
続いて電源開発㈱の竹原発電所です。電源開発
は日本最大の卸電気事業者です。現在では、日
本国内に水力、火力合わせて60ヶ所以上の発電
所を有し、発電能力は東北電力に匹敵しており、
卸電力としては突出した発電能力を持ちます。
特に水力発電と石炭火力発電に関しては日本一
の規模。送電・変電設備、電力会社間の連携線
や連携設備も多数保有しており、特に北海道・本
州間、本州・九州間を連系する送電網を有する
のは電源開発のみです。
その沖にある大久野島は、竹原市忠海町から沖
合い3キロメートルに位置し、周囲は4.3キロメート
ル。別名「地図から消された島」として、戦時下で
の化学兵器製造の島でした。毒ガスの島といわれ
毒ガスの歴史を伝える大久野島毒ガス資料館も
1つの有人島で愛媛県の最北に位置し、県内にあ
る島の中では最大の島です。大山祇(おおやまず
み)神社がある「神 の島」として知られています。
山の神、海の神、戦いの神として歴代の朝廷や武
将から尊崇を集めた神社であり、源氏、平家をは
じめ多くの武将が武具を奉納し、武運長久を祈っ
たため、国宝、重要文化財の指定をうけた日本の
甲冑の約4割がこの神社に集まっています。
三原市の幸陽船渠は、瀬戸内海に面した50万平
方メートルの広さの建造基地を有している造船会
社です。コンテナ船、バラ積み運搬船、タンカー等
各種大型船舶に500隻を超える建造実績を誇り
ます。また、中堅造船所では唯一となるLNG(液化
天然ガス)船を建造しています。
船内はグループ客などで盛り上がっています。
風光明美な美しい佐木島は周囲12キロです。
人々は人情味豊かで、過疎・高齢化が進んでい
ますが、長年続けてきた県内唯一のトライアスロ
ンさぎしま大会で有名です。なお、一昨年坂町の
「第1回ひろしま県民ウォーキング大会」に続き、
昨年第2回目が開催されました。坂町と縁がある
講演会の講師で行きました。タコのまちです。
尾道港です。「みなとオアシス」に登録されて
います。尾道市はNHK朝ドラで今年9月から
放送される「てっぱん」の地元となり、観光客
誘致に向け、いろいろと策を講じています。
JR尾道駅は、日本で一番海に近い所にある
尾道市は坂の町といわれていますが、海辺の建
浄土寺(真言宗)は聖徳太子の創建と伝えられて
いますが、足利尊氏ゆかりの寺としても有名です。
文化財の宝庫で、本堂、多宝塔は国宝、山門、
向島との間を結ぶフェリーです。
大ヒットした映画「男たちの大和」の戦艦ヤマトの
実物大のロケセットのあった向島の造船所です。
多くの人でにぎわいましたが、今はセットもなく、
閑散としています。
尾道市と向島を結ぶ尾道大橋(向こう側)と新尾
道大橋(うみしま海道)です。
常石造船は、日本の大手造船メーカーの一つ。
通称「つねぞう」。現在は独立した企業ではなく
グループ10社を吸収し、常石ホールディングス
㈱として発足。造船事業部門を社内カンパニー
として設けました。バラ積み船を主力とする国内
有数の造船メーカー、関連としてはテーマパーク
の「みろくの里」やスキー場「猫山」などの経営も
行っています。
内海大橋です。
美しい曲線を描いています。橋脚に岩礁を利用
しため、カーブになったそうです。
阿伏兎(あぶと)観音は、岬の突端の断崖に立
つ臨済宗妙心派盤台寺観音堂です。昔から海
上交通の人々の信仰を多く集めてきました。
観音堂は寛和の頃(986)、花山法皇が、この
あたり一帯の海上を往来する船の航海安全を
祈願して、岬の岩上に十一面観音石仏を安置
して以来今日まで、航海安全の祈願所として、
また子授け観音、安産の守護として、人びと
との厚い信仰にささえられてきています。
朱塗りの観音堂は、海からの眺望が絶品で、
観音堂の眼下に広がる燧灘(ひうちなだ)の展
望もすばらしく、安藤広重も描いています。
雨に煙っていますが、この辺りが瀬戸内海のうち
でも島が少ない所、燧灘(ひうちなだ)です。
東西約60 km、南北約40 kmの海域で、一帯はタ
イ、サワラなどの好漁場として知られています。
沿岸地域から火打石 が産出したことからこの名
がついたそうです。
因島大橋は、しまなみ海道の一部で、向島と
因島を結ぶ全長1270mで、1987年建設当
時は日本最長の橋でした。
自動車専用でなく、下の部分は自転車や人が
通行できます。
瀬戸田のある生口島です。
西の日光といわれる「耕三寺」、先日お亡くなりに
なった画家平山郁夫美術館がある瀬戸田港です。
ここも「みなとオアシス」に登録されています。
多々羅大橋は、しまなみ海道の生口島と大三島を
結ぶ完成当時中央支間長890mの世界最長の斜
張橋でした。当初は吊橋で計画されていましたが、
斜張橋の技術の進歩を背景に、自然環境の保全
や経済性などを考えて変更されました。
呉港から約2時間半の船旅も終わり、昼食場所
の福山仙酔島に到着です。
宿舎「仙酔島」で、左側が「ここから」といった
変わった名前のホテルです。
いかがですか。瀬戸内の船での「おさんぽクル
ーズ」、平素は陸からの眺めですが、船からの
違った視点での眺め。随分魅力的ですね。
陸からは見えないところも随分あります。
新鮮な気持ちで、海からの眺めを満喫しました。
ただ、この船旅で失敗したのは、ビールやつまみ
を持ち込みしなかったことです。船内に売店があ
るものと思っていましたので、あえて持ち込みは
しませんでした。ビールを飲みながら船旅を楽し
むということができなかったのが、残念でした。