積極人間の集い1,272回・・・能楽師京都から | ウオーキングの町 坂町

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こんばんは 「ようよう坂町」


毎週金曜日朝7時からは「積極人間

の集い」。今日は1,272回目を迎え、

何と京都から能楽師がゲストで来ら

れました。女性会員が尾道市に浄土

寺であった薪能の鑑賞に行かれ、イ

ケメンの能楽師に魅かれ、ゲストを

お願いし、実現したとのこと。何とす

ごい女性です。そんなわけで今日の

ゲストは京都から来ていただいた能

楽師シテ方観世流準職分の吉田篤

史様です。能が見られるなんてこの

会のすごさです。

能は、今から650年前の室町時代

観阿弥、世阿弥親子により原型が

集大成され完成した、世界一古い

舞台芸術です。2002年ユネスコ

1回の世界無形遺産に指定されて

います。第2回は文楽、第3回は歌

舞伎とこれだけ選ばれたのは日本

だけで、先人から受け継がれた無

形文化のすばらしさがうかがわれます。


能楽は古典劇で①仮面をつける仮

面劇②笛・小鼓・大鼓・太鼓の音楽

劇③衣装による扮装劇④謡と踊りの

歌舞劇⑤七五調の詩劇であり、能楽

の魅力たるゆえんです。

能と狂言の違いは、能がシリアスな

物語を主体とした悲劇であるのに対し、

狂言は喜劇です。

能楽は1日5番立てで行われており、

1演目が1.5時間ぐらいですから、

いくら好きでも連続では疲れてしまい

ます。そこで演目と演目の間に、狂言

を挟み、笑っていただき、緊張感を解い

て行くそうです。ちなみに狂言師の正式

名称は、能楽師狂言方です。

「泥眼」という能面のひとつです。目

に金泥を塗った女面。葵上(あおいの

うえ)などの女性の生霊(いきりょう)にも

用いています。

『葵上』(あおいのうえ)は、『源氏物

語』の「葵」巻に取材した能楽作品。

シテは六条御息所(みやすと゜ころ)の

生霊であり、題にもなっている葵の上

は一切登場せず、生霊に祟られ寝込

んでいることを一枚の小袖を舞台に

寝かすこと(出し小袖)で表現しています。

シテ方のシテとは主役のことで、

ここでは六条御息所がシテとなります。

最後に結婚式でよく謡われる『高砂』

を全員で謡いましょうということになり

ました。 

「高砂やこの浦舟に、帆をあげて。

この浦舟に帆をあげて。月もろともに

出汐の波乃淡路の島影や。遠く鳴尾

沖過ぎて。はや住吉の着きにけり。

はや住吉に着きにけり。」という謡です。

この『高砂』 (たかさご) は能の作品

の一つです。相生の松によせて夫婦

愛と長寿を愛で、人世を祝う大変め

でたい能です。相生の松(あいおいの

まつ)とは黒松と赤松が一つの根から

生え出た松のことであり、松は永遠・

長寿を象徴することから、相生の松

は特に縁結び・和合・長寿の象徴と

される、能『高砂』では、高砂の松と

住吉の松とが相生の松であるとし、

夫婦和合をうたっているので、めで

たい謡として、結婚式でよく謡われて

います。

実はこの謡は、待ち謡で、「着きに

けり」の後に、住吉大明神が現れ、

祝いの舞を舞うことになり、それを

待っている謡です。その舞いを教え

ていただいた「高砂」をみんなで謡

ながら、舞っていただきました。







能の見方は

①歌の言葉は聞かないように。

 650年前の言葉なので意味がわ

 からないのが当たり前。さらに面

 をかぶり大声で歌うので、声がこも

 りますますわからないので。

②歌や舞の真剣さ、気迫などを身体

 で感じ取ってほしい。

そうすれば能の素晴らしさがわかる

はずとのことでした。

今まで「能」は自分にとって遠いもの

だと思っていましたが、今日で身近に

感じることができました。

能をはじめ、日本や身近な所に無形

文化財はたくさんありますが、それを

受け継いでいくには、多くの人がかか

わっています。受け伝えられてきた

貴重な文化財を絶やさないように

次世代に伝えていくために、皆さんの

理解とできることで協力をしていただ

きたいと結ばれました。

全員のスピーチがこんな朝早く、滅多

見ることのできない「能」を見させてい

ただき、感動したとのスピーチでした。

「積極人間の集い」ありがとうございます。