水車で創る香は、深い愛を感じる
茨城県の筑波山麓を車で走ると、創業以来100年近くに渡って、
八郷で線香を作っている「駒村清明堂」があります
家の一角に構えた小さな売店を通りぬけて裏手に行くと、筑波山から
の清流が、勢いよく流れています
水車小屋の脇に杉の枝葉がうず高く積まれていました
筑波山の山あいでは、伝統の線香づくりを続けている駒村清明堂の
製造業者がいらっしゃいます
樋で分けられた山からの渓流の音が心地よく、私の五感も自然の
恵みを満喫している快感
心が清らかになって
見事な景観となって
昔は、この水運を利用して、お蕎麦屋さんが何軒もあったんですよ、
と駒村さんからお話を聞きました
筑波石と清流~さや~さや
清らかに
駒村家のヤマザクラ
石岡市認定保存財
筑波石を割りながら、幹を太らせ成長した伝統の巨樹
エリザベス
あ~桜の花が満開の時に
もう一度、行ってみたいわ
ここでは昔ながらに急流を利用した水車による製造風景が見られる
線香の素材は杉の葉で、それをよく乾かして砕いて粉にして作られる
線香 駒村清明堂
【茨城県郷土工芸品】
駒村 道廣
〒315-0155 茨城県石岡市小幡1899
TEL:0299-42-2819
FAX:0299-42-2911
杉は、東南アジアなどから輸入するタブや白檀と違い、日本で唯一の
線香作りに向いている香木です
木製の歯車を伝って砧を突いて杉の葉を細かく砕きます。
棒状に成型します。ご主人に聞くと、東北や北海道等北方の杉
は脂が多く、逆に南方のものは脂が少ないためつなぎを加える
そうですが、八郷の杉は丁度良い脂の量だそうです。
極上の八郷の杉
今では原料の杉を手当てして、水車で臼を付いているのは
日本でももう数えるほどしかないそうです。
水が豊かな八郷地区では、昔から水車を利用しており、地元の杉を
使った線香作りもその一つでした。
乾燥させた杉を細かく砕き、ふるいにかけるまでを水車の力で行って
います。
杉の粉は水などで練り上げられ、成形して乾燥させると完成です
筑波山の雄大な自然の中に清々しい香りが漂っています
染料を加えず水だけで練り上げた線香は黄金色で、杉本来の優しい
香りがします。
「ゆったりと暮らしているから、昔ながらの手間や時間がかかる方法
で線香作りができるんですよ」と駒村さんは語ります