今日は旅行記をお休みして、2025年最初の劇場映画鑑賞レビューです。
「教皇選挙」(2024)
全世界14億人以上の信徒を誇るキリスト教最大の教派・カトリック教会。その最高指導者で、バチカン市国の元首であるローマ教皇が亡くなった。新教皇を決める教皇選挙「コンクラーベ」に世界中から100人を超える候補者たちが集まり、システィーナ礼拝堂の閉ざされた扉の向こうで極秘の投票がスタートする。票が割れる中、水面下でさまざまな陰謀、差別、スキャンダルがうごめいていく。選挙を執り仕切ることとなったローレンス枢機卿は、バチカンを震撼させるある秘密を知ることとなる。(映画.com)
オーストラリアでは1月9日に封切られ、私は昨夜、1月12日に鑑賞しました。
みる人を選ぶ題材かもしれないから、封切られたばかりなのに観客は少なかったですが、私には本当に面白かった!
アカデミー賞国際長編映画賞を受賞した「西部戦線異状なし」のエドワード・バーガー監督作品で、脚本は「裏切りのサーカス」のピーター・ストローハン。キャストはレイフ・ファインズ、スタンリー・トゥッチ、イザベラ・ロッセリーニとくれば、面白くないわけはありません!ということで、前知識ゼロで鑑賞。
それがいいです。絶対に事前にネタバレレビューを読むことなしに鑑賞すべき。
なので内容にはふれません。
ミステリーですから、いったいどうなるの?と120分間ずーっとひきつけられてみていました(怖くはありません)。ところが最後の最後にまったく予期しなかった展開が訪れ、「うわぁ〜!」、と考えさせられる結果に。
なるほど、数々の映画賞にノミネートされているわけがわかります。
先日のゴールデン・グローブ賞では脚本賞を受賞。
これは非常に納得です。
それから映像、構図、撮影、アンサンブル演技も素晴らしいと思いました。
「コンクラーベ」を題材にした映画というと『天使と悪魔』(2009年)や『2人のローマ教皇』(2019年)が思い浮かびますが、本作は教皇が亡くなられてすぐの様々な所作や、新教皇を決める際の人々の入り混じる想いが浮き彫りになり、とても現代的で、なおかつ様式的、象徴的な映像美にも新鮮な驚きがありました。
私事となりますが、2012年にバチカン市国のシスティーナ礼拝堂を訪れた時のことも思い出され、あの場所でこのようにしてコンクラーベが行われるのだなぁと感慨深かったです。行っておいてよかった。
その時の記録
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ちなみに「コンクラーベ」は英語読みになると「コンクレイブ」ですので、お気をつけて。
知的なエンターテイメントをお求めの、大人の観客におすすめしたい映画。
ただトラディッショナルなカトリック信者の中には、もしかしたらこの映画が教会にとってマイナスだと考える方もいるかも。
私は配信にきたら、もう一度みたいです。
四つ星半。