オーストラリア、アデレードの、私の行きつけの映画館「Palace Nova」 で2024年9月20日〜11月28日まで行われた黒澤明映画祭。

以下の10作品が上映されました。

(☑️は過去にテレビで鑑賞済み)

 

乱 (1985)☑️

七人の侍 (1954) ☑️

羅生門 (1950) ☑️

生きる (1952)

蜘蛛の巣城 (1957)

隠し峠の三悪人 (1958)

用心棒 (1961) ☑️

椿三十郎 (1962)

天国と地獄 (1963)

赤髭 (1965)

 

美しい4Kレストア版を劇場の大画面でみられるなんて貴重な機会なので、大好きな「七人の侍」をみたくなったけれど、仕事が忙しい時期なので、今回は黒澤監督の未見の現代劇を二作だけ見ることに決め、「生きる」と「天国と地獄」を選びました。

 

しか〜し、「天国と地獄」と「隠し峠の三悪人」の上映日を間違えたため、きせずして「隠し峠の三悪人」もみることに。

それが災い転じて福と成す、だったことは昨日のブログに書いたとおりです。

 

そこまではいいのですが、すでにチケット購入していた「天国と地獄」は11月21日上映で、年度末の仕事の締め切りが近く、本来ならば外出する余裕などない日。

でも、えいやっと見に行っちゃいました。その皺寄せで、それからしばらく休み返上で夜中まで仕事をする羽目に陥っちゃったんですが。

でも後悔してません!それほど面白かったです。

 

 

 天国と地獄(1963)

 

 

あらすじ

エド・マクベインの小説が原作。黒澤明監督、三船敏郎主演のサスペンス。息子と間違えて誘拐された運転手の息子・進一のために身代金を用意した権堂。進一は助かったが誘拐犯を捕まえるため刑事たちが奔走する。(Filmarks)

 

 

 

感想

 

ストーリーもとびきり面白いながら、昭和30年代の横浜や当時の風物・風俗がみられるのがものすごく興味深い!

横浜市西区・中区・南区にロケ地が集中しています。

ロケ地マップも発見。

 

 

はまレポ.com

 

映画で、刑事さんたちが犯人の居場所を特定しようと地図で考察するので、みているこちらも今だったらどのへんだろう、と知りたい気持ちになるんですよね〜。

 

写真で比較しているこちらの記事もわかりやすいし、こだわりの考察がとても面白いです。(たくさん書いてあるのでまだ全部読めてません!)

 

動画でロケ地めぐりをしている方も。素晴らしい!

 

 

 

大学時代、東京から横浜まで4年間通ったし、母が亡くなった今、横浜が私の日本の拠点になったので、特に興味がひかれます。

 

それに当時の風物をみるのもワクワクで♪

新幹線ができる前だから、特急こだま号をつかっているし、椅子やソファの背もたれに白いレースのカバーがかかっているし、応接間の様子とか、タカシマヤのトラックとか、テープレコーダーとか、8ミリカメラとか。

ゆりやんがモノマネしていたような昭和30年代の女性の話し方とか、衣服にも注目。

 

そして黄金町の多国籍の酒場の様子や食べ物の値段、麻薬の巣窟みたいな場所、山下公園、江ノ島や江ノ電など、わぁ〜っと思うこと間違いなしです!

 

あとは山﨑努さんの若い頃ってはじめてみたので、この役にはびっくりだったし、若いって言えば、子供の頃の江木俊夫さん(フォーリーブス)!

 

 

 
富士山をきれいにとるために冬に撮影したのに、設定は夏だから、刑事さんたちはシャツに汗染みがあったり、扇子で顔をあおいでいたり、調べれば調べるほど細かいこだわりが面白い映画。
 
本当にひきこまれて楽しみました。四つ星半。
 
そうとしっていたら、今回の映画祭の作品を全部みたかった〜。
せめて最後に上映される「赤髭」を見たくなったけれど、到底無理なのであきらめました。
またいつか機会があるといいな。