あいかわらず余裕のない毎日ですが、ブログの遅れをとりもどしたい、、。

 

というわけで今日は6月8日にYouTubeで偶然みたThe Passing of the Third Floor Back』という古い映画について書きます。

どのくらい古いかっていうと公開年は1935年。しかも日本公開はなかったようで日本語の情報はありません。

でも私のように何かの拍子でこの映画を見る人や主演のコンラート・ファイト(Conrad Veidt)について知りたくなる人もいるかもしれないから、覚書を残しておきます。

 

  • 原作:ジェローム・K・ジェロームの戯曲(1908年)
  • 監督:ベルンハルト・ヴァーゼル(Berthold Viertel)
  • 主演:コンラート・ファイト(The Stranger/謎の訪問者役)
  • 製作国:イギリス
  • 公開年:1935年

日本では未公開・未発売のため、邦題はありませんが、直訳で「三階の裏部屋を通り過ぎる人」、意訳で『三階奥の訪問者』というタイトルです。

 

あらすじ:

ロンドンの安下宿(boarding house)に住む、利己的で不平不満ばかりの住人たち。ある日、三階の奥の部屋に「ストレンジャー(見知らぬ男)」がやって来る。その謎の男は特別な言葉や行動で人々の心に静かに影響を与え、次第に住人たちは自分の弱さや欲望に気づき始め、変化していく。まるで現代の寓話のような、優しくも力強い変革の物語。

 

 

 

原作は戯曲で、演劇として上演されることを意図として書かれました。のちに短編小説としても出版されたそうです。

戯曲はロンドンの下宿屋に住む自己中心的な住人たちが、三階の奥の部屋に現れた謎の訪問者によって内省を促され、変化していく様子を描いています。

この謎の訪問者は「天使」なのですが、映画版では曖昧に描かれていて、見る人の解釈に委ねられています。

そんなキリスト教的価値観に馴染みがなく、日本では上映されなかったのかもしれませんが、天使が登場するジェームス・スチュワートの「素晴らしき哉、人生!」(1946年)とか、クリスマスには必ずみたくなるほど私は好きなので、本作も興味深く鑑賞しました。

それからこの話にみられる当時のロンドンの下宿屋に住む人々の暮らしも私にとっては見どころのひとつでした。

 

この映画の主役を演じたコンラート・ファイトさんですが、「カサブランカ」(1942)に出演していました!

 

 

役柄は、ナチスの将校、ハインリッヒ・シュトラッサー少佐。

コンラートさんは、ナチス大嫌いで、ユダヤ人の奥さんと結婚してすぐ、英国に移住したそうですが、彼の一番の有名作がナチスの役というのは複雑ですね。

 

あと、サイレント時代の「笑う男」(1928)でのコンラートさんのビジュアルが、のちにジョーカーを閃くきっかけとなったそうです。

いろいろつながります。

 

 

 

 

せつないお話、、。