すっかりご無沙汰しています。
日本からオーストラリアに戻って以来、10月に一度、映画記録を書いただけで、11月はついに一度もブログを更新できませんでした。
忙しかった〜。激務でした!
12月に入ってからは、帰宅後も夜中まで仕事、週末も仕事で、なんとか締切に間に合わせたら力尽きて、ついに病気に、、、(喉頭炎で声を失ってしまった!)
夏休みに入る前の最後の一週間は、仕事納めの大事な時なのに、欠勤してしまい、、、。
そんなわけで休みにはいってからも、休んでいた間の仕事をあれこれ片付けつつ、ようやく体調が回復してきて、三日前から外出できるようになりました。
まだ咳がでて疲れやすいけれど、クリスマスの支度があるし。
こちらのクリスマス前の忙しさは、日本の年末の忙しさに似ています。
来年はもっとうまくやらなくちゃね。
今日は、最強忙しくなる直前に映画館でみた黒澤映画、三作品のはじめの一作の鑑賞記録を書きます!アデレードで黒澤明・映画祭をやっていたんですよ〜。
オーストラリアでまだ日本の映画をほとんど観られなかった頃、SBSテレビ(多文化公共放送局)で「7人の侍」と「用心棒」を観て感動して以来、白黒時代の黒澤監督映画のファンです!
とはいえ、他の作品はあまりみる機会がなく、今回もすでに忙しい時期と重なってしまったため、劇場公開された9作品のうち、「生きる」だけは絶対に見ようと心に決めていました。
だって、2023年の5月にメルボルンの劇場で、ビル・ナイさん主演のリメイク版「生きる Living」を観て、とても良かったから!
生きる(1952)
あらすじ
癌で余命幾ばくもないと知った初老の男性が、これまでの無意味な人生を悔い、最後に市民のための小公園を建設しようと奔走する姿を描いた黒澤明監督によるヒューマンドラマの傑作。市役所の市民課長・渡辺勘治は30年間無欠勤のまじめな男。ある日、渡辺は自分が胃癌であることを知る。命が残り少ないと悟ったとき、渡辺はこれまでの事なかれ主義的生き方に疑問を抱く。そして、初めて真剣に申請書類に目を通す。そこで彼の目に留まったのが市民から出されていた下水溜まりの埋め立てと小公園建設に関する陳情書だった……。責任を回避し、事なかれを良しとする官僚主義への批判や人生の価値に対する哲学がストレートに表現されてはいるが、志村喬の鬼気迫る迫真の演技が作品にみごとな説得力を与えている。(all cinema)
感想
これはもう、泣きました〜。志村さ〜ん。
10月に日本のテレビでたまたま寅さんの二作目を観て、志村喬さんをみたばかり。
志村さんって黒澤映画の常連だったのですね。
あぁ、「生きる」での志村さんの演技には本当に胸をうたれました。
ビル・ナイさん主演のリメイク版は103分ですが、本家は143分!そのカットされた部分は、主人公が亡くなったあとのお通夜のシーンなんです。イギリスにはお通夜の文化がありませんし、上司やご近所の方がお焼香に来るシーンなどは、文化の違いでリメイク版にはなかったのも納得です。ただここがこの物語の真骨頂!
父が亡くなったときには、私の家でも大きなお通夜とお葬式を執り行いました。
その時の経験が胸によみがえり、映画の通夜シーンでは、お焼香客の人々の話から、だんだんと主人公の想いが浮かび上がってくるので、最後には思わず涙がこぼれて、、。
この映画がヒューマンドラマの傑作と呼ばれるのも納得です。
間違いなく傑作!五つ星です!
そして、50年代の日本の様子を垣間見ることができたのも、とても勉強になりました。本当にみてよかった
ブログのお友達の皆様のところにも少しづつお邪魔いたしますね。