初めての裏切り
昭和四三年、春。東京文化小学校へ入学。
同じ学校の三年生である兄と一緒に、手をつないでバス停まで歩きます。
今は廃車となった代田橋行きに乗り、四〇分ほど揺られて学校へ着きます。
ピカピカの制服、ピカピカの帽子、ピカピカの靴、ピカピカのランドセル・・・・・・。
でも、女の子なのに黒いランドセルなのが少し残念。
小さいころから、人見知りをしない私は“ニッ”と笑いながらだれの所へでも近寄っていくので、すぐに友だちができ、学校大好き少女だったようです。
当時、ザ・タイガースのジュリーファンだった私は、T子ちゃんからジュリーのシールがついている透明のビニール製定期入れをもらったりして、T子ちゃんと特に仲良くなりました。T子ちゃんは色の白い、髪の毛が茶色くて、瞳のクリッとした、とても可愛い女の子でした。でも、冬になると、いつも鼻の下にカサカサに乾いた鼻汁の跡を二本必ずつけてる子でした。
そのT子ちゃんとは、よく遊びました。スカートをパンツの中へまるめ込んで、ちょうちんブルーマのようにして、鉄棒をしたり、黒板に自分の名前をいくつ書けるか競い合ったり・・・・・・。
そんな彼女が、三年生になる前に転校してしまいました。それまで仲良くしていただけに、別れることが悲しかった私でした。
『私のこと、忘れないでネ・・・・・・』
彼女は泣いていました。
それから数日後、学校でS子ちゃんから変な話を聞かされたのです。
『聖子ちゃんって、ひどい人ね』
『どうして?』
『だって、T子ちゃんの時計を壊したんでしょ?転校する前に、T子ちゃんがみんなにそういっていたわよ』
『エーッ・・・・・・そんなこと、私、した覚えないけど』
それはまったくでたらめな話でした。
T子ちゃんの自作自演の劇だったのです。でもなぜ、そんなウソをついてまで、私を悪者にしたかったのか。
負けず嫌いだた彼女。
みんなと“キャーキャー”いいながら、なんの用心もせずにはしゃぎまわっていた私。
ーーー同じ人間同士でも、信頼しあうこともできるし、また一方的に裏切ることもできるーーーそんなことの断片を、その日、初めて私は知ったのでした。
オマケ
せっかくの好天だったので登って来ました。
いつもの場所でパチリ![]()
水分補給はこちらで。
今日は四国まで望めました。
初めてのこちらへも足を伸ばして来ました。
昼からはFREEDのオイル交換に行って来ました。
さすがにGWなのでいつもの賑わいはなく即ピットインして待つことなく済みました。
新しく2階建てのオープンバスの定期観光便が始まりました。
たまにはPCのメンテナンスもしないとね。![]()
