ほんとうにあった「こわい話」 | 詩はどこにあるか

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 なぜか、高市支持派の記事がFacebookの私のニュースフィールドに流れてくる。これ自体、私には「こわい」ことなのだけれど、そこであった「こわい話」。「こわい」というのは主観的だから、きっとこわくない人もいると思うけれど。(前置きが長くなったけれど。)
 私は、そこで、こう書き込んだ。

谷内「若い人は、「集団的自衛権」の意味を知らないし、中国、台湾の歴史、日本の歴史も知らない。権力者を疑うことを知らない。」

そうすると、ある若者が、こう書いてきた。以下は、そのやりとり。

若者「はあ、で自分たち世代は色んなことをよく知ってる、と? まず、自分の頭を疑ってみることをおすすめします。本当に。」

谷内「では、まず「集団的自衛権」について、あなたの知っていることをお聞かせください。そのあと、私の知っていることを書きます。それで、私の頭が正常かどうか、確かめてください。
日本、中国、台湾の歴史的関係については、最初に私が最初に書きます。日本、中国、台湾の第二次大戦中の歴史は、日本が台湾、中国を侵略し、最終的に日本は敗北しました。(このとき、中国は、アメリカと「連合国」となり、日本と戦っています。日本は、アメリカと戦争し、負けています。今回の高市発言と関係があるので、書いておきます。)
さらにさかのぼれば、日本は中国から漢字を「輸入」し、文字をもつことができました。
漢字がなければ「堀田 賢豪」さんの名前も、ちがったものになっていたでしょう。
中国からは、さらにいろいろな文化を学びました。奈良や京都の街も、中国の街を参考にしてつくりました。私の書いたことのどこが間違っているか、ご指摘ください。」

若者「はあ、そんな、どっかからのコピペで充分な知識をひけらかされましても……で、だからなんなんです? こんだけコピペできるオレは若いヤツより偉い! って?? ほんと、「老害」って言葉を噛み締めるべきですよ。とほほ。」

 もっと長いのだけれど、この部分だけで、十分「こわい」。
 なにがこわいと言って、私が書いた「日本、中国、台湾の歴史的関係」は「ウィキペディア」で調べてみるような事柄ではない。8月6日に広島に原爆投下、8月9日に長崎に。そして8月15日敗戦(終戦)。こんなことを、「ウィキペディア」から「コピペ」して書いていると判断する若者の、知識(認識)がこわい。
 多くの「老人」が、「日本、中国、台湾の歴史的関係」について書くのに、ウィキペディアをコピーアンドペーストしていると、若者が思っていることがこわい。
 高市支持派のなにがこわいかといって、誰もが知っていると私が信じている「常識」をもっていない人がいる、ということだ。
 私がその若者から聞きたかった「集団的自衛権」(日本の「存立の危機」と関係する)についても、多くの若者が「日本が、ある国から攻撃されたとき、日本だけでは自衛できないから、東南アジアや韓国など周辺の国に助けてもらいながら日本を防衛(自衛)すること」と信じているひとが非常に多い。
 「戦争法」が話題になったとき、私はほうぼうのスレッドで若者と対話したが、私の書き込みに反論する若者は、全員が、そう考えていた。若者の多くは「個別的自衛権」と「集団的自衛権」の違いも、たぶん、知らない。
 日本が「集団的自衛権」を行使したら、どうなるか。そのことを、多くのひとは考えていない。だから、簡単に、高市の発言を支持するのだと思う。

 こんなことを書いても無駄だというひともいるかもしれないが。
 私は、機会があれば、なんとか若者とも話してみたいと思っている。
 私の余生なんか短いものだが、戦争がしたくてしたくてたまらない高市の政治のせいで、死にたくはない。