破棄された詩のための注釈23破棄された詩のための注釈23 谷内修三2020年10月03日 過去が、まだ、残っていた。夏の終わりの光が、壊れた自転車に影をつくっていた。影は板壁に傾いて伸びていた。 でも、何も私には近づいてこないのだ。そこに、ただ、ある。 これは現在だろう。未来だろうか。 彼は話している、彼と。私は話している、私と。ことばは話している、ことばと。