嵯峨信之『詩集未収録詩篇』を読む(103) | 詩はどこにあるか

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* (思いだして欲しい)

かつて何を話したか
いまかつてのその場処と時間帯はどうなつているか

 「時間帯」ということばに私は驚いた。「時間」を「帯」と場所のように広がりのあるものとしてとらえている。
 「時間」は瞬間、「時間帯」はひろがり。
 「時間帯」ならば、そこには当然「変化」が含まれるだろう。変化を前提として「思いだす」というのは、変化は当然であるという意識からだろうか。
 それとも逆に「時間帯」のなかで「持続」しつづけたものがある、ということを思い出し、それを復活させることができるか問いかけているのか。
 「いま」ということばに、何か、願いのような切実さを感じる。






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詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
オンデマンドで販売しています。100ページ。1500円(送料250円)
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