「自己責任」では?(2) | 詩はどこにあるか

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「自己責任」では?(2)
   自民党憲法改正草案を読む/番外377(情報の読み方)

 2020年08月16日の読売新聞(西部版・14版)が、時事ドットコムニュース(2020年08月13日07時07分)を「追いかけ」ている。よほどの「特ダネ」なのであろう。
 4面に「囲み記事(安倍のイラストつき)」がある。

首相 心休まらぬ夏/別荘での静養 自粛

 記事には、こう書いてある。(番号は、私がつけた。)

 ①安倍首相がお盆休みを東京都内の私邸で過ごしている。②新型コロナウイルス対応で、山梨県鳴沢村の別荘での静養を取りやめたためだ。

 ①は、今の「事実」。②はどうか。「理由」を書いているように見える。しかし変じゃないだろうか。「新型コロナウイルス対応」に忙しいのなら、そもそも「夏休み」を返上し、対応の指揮をとるべきだろう。なぜ、「東京都内の私邸で過ごしている」? 国会を開いたら?
 安倍を批判する視点が完全に欠如している。
 記事には、こんな部分がある。

③首相が本格的な休暇をさけるのは、小池百合子都知事が都外への旅行自粛を呼びかけたことも影響している。

 なんと、安倍が山梨の別荘へ行けないのは、小池の政策のせいである、というのだ。
 でも二階の裏金調達の「goto」キャンペーンで、東京を除外したのは小池? 小池のコロナ対策が気に食わないから、小池いじめを目的に、国が東京を除外したのではなかった?
 東京発着の移動自粛は、小池が始めたのではなく、国が(安倍が)始めたことである。自分で自分の足を縛っている。「自己責任」である。

 記事の末尾は、もっと傑作である。

④首相周辺は来週以降に休養が取れないか模索している。

 「休養」って、何? 広島、長崎の原爆の日、15日の敗戦の日、安倍はそれぞれの式典には出席したが、ほかはずっと休んでいるのでは? 「来週以降」というけれど、いま、どんな仕事をしている?
 書き出しに「安倍首相がお盆休みを東京都内の私邸で過ごしている」とある。ちゃんと「お盆休み」をとっているではないか。「休養」しているではないか。
 さらにいえば、来週(盆明け移行)、コロナ感染の拡大が懸念される。そういうときに「休養が取れないか」模索するというのはおかしくないか。むしろ、感染拡大に備え、対策を練る必要がある。働かなければならない、と予想するのが一般的だろう。
 各県知事や医師会が、懸命に働いている。国が(安倍が)何もしないので、知事、医師会でできることをやっている。彼らは「夏休みが取れない」と不平を言っているか。彼らが夏休みが取れないからたいへんだ、かわいそう、という記事を誰が書いているか。
 「ぼくちゃん、夏休みがとれない。小池のせいだ。ぼくちゃん、なにもしていない。小池が自粛呼びかけという余分なことをして、ぼくちゃんをいじめている」という安倍の代弁記事ではなく、安倍に国会を開いてコロナ対策をすすめろと叱責する記事こそ書くべきだろう。
 安倍をおだてないと、電通経由で広告が入ってこないのかもしれない。そうだとしても、あまりにも情けない。新聞の役割を放棄している。







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「情報の読み方」は9月1日から、notoに移行します。
https://note.com/yachi_shuso1953
でお読みください。
 

#安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位 



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