稲妻が宇宙を一方的に横なぐりするような荒野を
「一方的」を「横なぐり」が言い直している。この暴力が「稲妻」と「宇宙」と「荒野」を強く結びつける。強靱に結びつけるためには「一方的」と「横なぐり」というふたつのことばが必要だったのだ。
この世界をさらに、
なぜかたつたひとりで
と言い直す。
このとき、「ぼく」は「稲妻」か「宇宙」か「荒野」か。区別することはできない。
区別せずに、一気につかみ取ってしまうのが、詩だ。「ひとり」のなかに「みっつ」の世界が凝縮する。
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詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
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