嵯峨信之『詩集未収録詩篇』を読む(42) | 詩はどこにあるか

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* (第三者が二人に近づいてきたが気づかずに通りすぎた)

そのまま丘の向こうへ消えていった
どこでも人生のくりかえしがある

 「第三者」とはだれだろうか。
 嵯峨である、と私は読む。二人がいっしょにいた。それは貴重な時間なのに、その貴重さに気づかずに、その時間と場所を通りすぎてしまった。
 過去の、あるとき、ある場所を思い出している。
 だから「通りすぎた」「消えていった」と過去形で書かれる。そして、過去形で書くことで、過去を思い出している。

*

詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
オンデマンドで販売しています。100ページ。1500円(送料250円)
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