* (愛よ)
ぼくらの寝所へひっそりと素裸でやってきて
一時に熟れてしまう
「愛」は抽象的である。「素裸」「熟れる」は具体的である。
あらゆるものは「熱」によって熟れる。「冷やす」と熟れない。
そして、「熟れる」は「時間」を必要とするが、この詩では「一時に」と時間を欠いている。
「情熱」という「熱」が時間そのものを焼き尽くすのだ。
しかし焼尽派のバタイユなら「ひっそり」とは書かなかっただろう。
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詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
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