嵯峨信之『詩集未収録詩篇』を読む(24) | 詩はどこにあるか

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白い雨

ゲルニカの時はアコーデオンの
      馬の白い歯にまごうゆるやかな
    怒り

 何のことが、わからない。
 「ゲルニカ」はピカソの絵で有名な「ゲルニカ」だろう。アコーデオンの白い鍵盤を馬の歯に見立てたのか、ゲルニカの絵の馬の歯からアコーデオンを連想したのか。そして、それが「怒り」ということばに結晶しているのか。
 わからないが「まごう/ゆるやかな」ということばが印象に残る。
 なにかがことばになるとき、突然ことばになるものと、ゆっくりと時間をかけてことばになるものがある。
 どちらにも、それぞれの不思議な力がある。