自民党憲法改正草案を読む/番外334(情報の読み方)
2020年04月05日の読売新聞(西部版・14版)の1面トップ。新型コロナニュース。
アビガン200万人分確保/経済対策原案 5本柱/「緊急支援」「V字回復」2段階
という見出し。「アビガン200万人分確保」はわかるが、そのあとの「経済対策原案 5本柱」とはいったい何事か。いまは経済ではなく、国民の命を守ることだろう。
1面には、こういう見出しもある。
東京感染 初の100人超/全国368人 福岡市26人、1日最多
全国で感染者が増えている。みんな自分の命がどうなるか心配しているだろう。また、治療費にいくらかかるか、という心配もしている。経済が回復するかどうか、ではなく、このままで生きていけるかどうかを心配している。その不安を取り除くことが大切だろう。
いま必要なのは、病床の確保、人工呼吸器の確保、入院中の経済補償である。それがすんだら、新型コロナのために休業せざるを得なくなった人の経済補償(休業補償)である。
経済の「V字回復」など、なくてもかまわない。収入が減ってもかまわない。生きていければいい。そのために必要な金さえあればいい。暮らしの質を落とすことはかまわない。もともと「ぜいたく」なんかしていない。それが多くの国民の気持ちではないのか。
死んでしまえば、経済がどうなるかなど、何の意味もないのだ。
たしかに「経済(金)」は大事だが、それが「最優先」では困る。病気の不安があるのに、経済(金)のことを考えるというのが、おかしい。「金のことは心配しないで、自分の体、健康のことを考えて」というのが、人が病気のときにかけることばではないだろうか。そして、実際に、そう行動するのが健康な人の仕事ではないのか。
安倍の「経済第一主義」(2012年の、自民党の改憲草案先取り=前文に「経済活動」が書かれている)が、今回の新型コロナ対策に非常に大きな影響を与えている。感染がはじまって以来、何度も何度もマスコミに「医療崩壊」ということばが出てきているが、なぜ「医療崩壊」が起きるのか。病院の数が減っている。保健所が減っている、からではないのか。健康に金をかけず、保健所や病院を削減することで浮いた金を経済対策に回すから、病院が足りない、医師が足りない、看護師が足りないということになる。
国民の「健康崩壊」が起きて、それに対応しようとすると「医療崩壊」が起きるというのは、国民の「健康崩壊」を前提とせずに「経済対策」がつくられているからだ。つまり、「医療崩壊」が起きるとしたら、それは「経済対策」が間違っているからである。
だいたい「医療崩壊」と騒ぎ始めてから2か月以上もたっている。「医療崩壊」を防ぐために政府は何をしたのか。マスクを6億枚提供すると「やらせ記者会見」で発表したが、市中にはマスクは出回っていない。あわてて「布マスクを1住所2枚配布する」と言ったが、そんなことで「健康崩壊」を防げるのか。布マスクの配布開始は「再来週」ということだったが、不完全な「健康崩壊防止策」の実現を待っている間にも国民は新型コロナで死んで行くのである。