安倍のコロナウィルス対策 | 詩はどこにあるか

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安倍のコロナウィルス対策
             自民党憲法改正草案を読む/番外317(情報の読み方)

 安倍がコロナウィルス対策について記者会見を開いた。2020年03月01日の読売新聞(西部版・14版)の一面の見出し。

緊急策第2弾 10日で/監査拡充 病床5000超確保/休職支援 新たな助成制度

 なぜ「緊急策」をまとめるのに「10日」もかかるのかわからないが、このことはきのうフェイスブックに書いたので書かない。
 私がいちばん疑問に思うことは「病床5000超確保」という部分である。記事中には、こう書いてある。

 全国で2000超の感染症病床については、緊急時に感染症指定医療機関の病床を最大限動員することで、「5000床を超える病床を確保する」と述べた。

 読み方はいろいろできる。「2000床は、コロナウィルス以外の感染症」がつかう。「コロナウィルス用に確保するのは3000床」かもしれないし、緊急事態なので「5000床全部をコロナウィルス患者」がつかうかもしれない。
 いずれにしても。
 ここからわかることは、安倍が入院が必要な感染者数を最低限「5000」と見積もっていることだ。
 中国では、たしか「1000床の病院」を急ぎふたつ建設したはずである。中国に、感染症用の病床がいくつあるかしらないが、中国は「2000」増やした。患者の数から比べると、それで足りたとは思えない。
 安倍の提唱している「3000」はどこから、その数字を出してきたのか。そして、「5000」という数を出せば国民が安心すると、どうして判断したのか。
 国民には知らされていない「情報」があると考える必要がある。
 その「情報」は、どう管理されているのか。気になる文章が、いま引用した記事の直前に書かれている。

 現時点で全国の検査能力は1日あたり4000件超と指摘した上で、地域の検査能力などで検査が断られないようにするため、「必要な検査が確実に実施できるよう国が仲介を行う」と強調した。

 これは、国が仲介するので検査は必ず受けられるようになると読むこともできるが、国が仲介することで「必要ではない検査」(必要とはみなさない検査)は実施しないようにすることで、検査件数を調整するという具合にも読むことができる。
 たぶん、後者なのだ。
 そして、この方法は、いままでとられてきた方法と同じである。保健所が国が示した検査基準に合致するかどうか判断し、合致したものだけを検査対象にした。それをつづける、そういう監視を行うことを「国の仲介」と呼んでいるのだ。
 政権は、いままでの保健所からの報告を踏まえた上で「5000床」という数を出したのだ。
 そして、このことは、また次のようなことを推測させる。
 安倍は、コロナウィルスの感染者がどんなに増えようとも、その上限を「5000以内」におさえるために、さまざまな調整をするだろう。
 それをうかがわせる記事が、三面に書かれている。今後、保険が適用されることになるが、それについて書いた記事だ。見出しは、

保険適用で間口広く/ウイルス検査増へ/「拒否された」批判受け

 となっているが、記事の最後の部分にはこう書いてある。

 保険適用後も、検査を受けられるのは、感染の疑いのある人を検診する「帰国者・接触者外来」を設置しているなど一部の医療機関に限られる。医師の判断が全帝都なり、「不安がある」などの理由では検査は受けられない見通しだ。

 これでは「窓口広く」とは言えないだろう。国による「監視(管理)」が依然としてつづく。監視(管理)によって感染者数をおさえるということが可能なのだ。
 私は以前、なぜ、保険適用が進まないか、民間機関でなぜ検査できないのかという疑問を書くと同時に、きっと安倍の「お友達」の医療機関の態勢がととのうまで保険適用をさせないつもりなのだろうと書いた。その「一部の医療機関」、限られた機関の態勢がようやくととのったので、保険適用にしたということだろう。
 そして、その「限られた医療機関」をとおして、コロナウィルスの感染者数をコントロールするのである。何人感染者が発生していようが、「国が管理する(仲介する)」機関をとおして数えられなかった場合は患者にはならないのだ。
 安倍は「事実」をコントロールするではなく、「情報」をコントロールする。そして、「情報」をコントロールするためには、いろいろな「不都合な情報」は、これまでどおり、改竄、廃棄という形で隠蔽するに違いない。
 読売新聞に書いてある記事からは、そういうことが推定されうる。
 私の読み方は「妄想」かもしれないが、「妄想」を刺戟するような書き方を読売新聞はしている。

 5000という数が多いのか、少ないのか。多いに決まっているが、多いけれど、対策が充分だから5000におさえられたのか、失敗したから5000になったのか。
 どちらにしろ、週明けから(学校が休校になった段階から)、数が急速に増えていくだろう。そして、その数の増加を背景に、安倍は「休校にしてよかっただろう」と「手柄」のように言いふらすに違いない。
 初動を間違え、日本をコロナウィルスの発生源にしたことを、そういう「手柄」で隠蔽しようとしている。

(以下は、きのうフェイスブックで書いた文章。ただし、最後に追加部分があります。つづけて読んでみてください。きっと、驚くと思います。)

記者会見というけれど。
質問にほんとうに答えている?
抽象的なことばの繰り返しばかり。

具体的なことを一つだけ言っている。
マスク不足について聞かれて「3月に6億枚供給できる」と。

6億枚で、充分なのだろうか。
1月、2月は何枚製造したのか。その数字と、いま、スーパーや薬局でマスクが手に入らないことはの関係はどうなっているのか。
1日何枚必要なのか( 必要と考えているのか) 、そういうことをきちんと答えないと、答えにならない。
日本国民は1 億人。30日なら、1人1枚使用したとして、簡単に計算して30億枚必要なのでは? もちろん赤ちゃんとか、重篤の病気のために酸素マスクをつけている人などはマスクをしないだろうけれど。
しかし、どういう計算をすれば、1億人の国民が1か月6億枚のマスクで足りるのか、さらに3月の生産が6億枚だとして、それで3月1日には何枚市場に出回るのか、ということも説明すべきだ。3 月31日に6 億枚完成するというのであれば、いまから3月31日まではマスクなしということも考えられる。( これは極論だけれど。)

どこへ行っても、マスクをしていないのは、マスクが買えない私だけ、という状況がつづいているのだけれど。
こんな状況で、「6億枚」と言われても、それで間に合うとは信じられない。

私は抽象論が苦手なので、具体的に聞きたい。

補正予算についても、野党が緊急提案した案を否決した理由は何なのか、そのことをぜひ聞いてほしかったなあ。

(ここからは、追加。)

 きのう、フェイスブックに書き込みしたあと、少しネットを見て回っていたら、アメリカのコロナ対策の会議の動画があった。そこで、責任者(議長?)が、ある担当者に「国内にマスクは何枚あるか」と問うた。「2000万枚ある」「充分な量か。何枚必要なのか。1億枚」というやりとりがつづいた。(数字は正確ではないかもしれない)。これを見ながら、あ、記者会見のこの質問と応答も、結局「やらせ(しかもアメリカの質疑のパクリ)」だったのかと驚いた。
 会見の質疑のなかで、6億枚だけが「具体的」だったので、どうしてそうなったのか、非常に疑問に思っていたが、その理由がわかった。
 日本の記者会見は、多くの人が指摘しているが、とんでもない「猿芝居」である。記者が事前に質問事項を通知しているだけではなく、きっと安倍の方から、こういう答えをしたいので、それに見合った質問をしてほしいという「逆提案」のようなものが行われているのだ。




#安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位 
 


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