* (それが人の世というものです)
どういうものが人の世か、具体的なことが(しかしかなり抽象的に)書かれたあと、最後の二行。
大きな夜がしずかに傾斜する窓ぎわで眠ります
ある大きな手からわたしにだけつづいているいつもの深い眠りに
「ある大きな手」とは「わたし」を超える存在である。それと「わたし」がつながっている。「わたしだけに」と嵯峨は書いている。ここに詩人の「特権」がある。それは認めるしかないのだが、私はこの「特権」が嫌いである。
「特権」があるから「人の世」を、人とは違った生き方で生きていける、という考え方には異を訴えておきたい。
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詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
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