嵯峨信之『OB抒情歌』(1988)(39) | 詩はどこにあるか

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* (夕虹のような)

一枚の春のスカーフにぼくは巻き込まれた

 この「春のスカーフ」は幸福というよりは、幸福の記憶である。それは虹が消えるように消えてしまう。一瞬、美しいものを見せて。
 人は、幸福なときに、幸福な情景に出会うとは限らない。

雨の日に
遠い田舎へ帰つて行こう

 虹と春のスカーフに、嵯峨は自然を思い描く。田舎は、たぶん、虹が出なくても美しい。都会と違って。



*

詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
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