嵯峨信之『OB抒情歌』(1988)(37) | 詩はどこにあるか

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* (あなたの手紙の余白は)

 ふたたび「あなた」にもどって、詩はつづく。

夕顔の花のような匂いがする

 この一行は不思議である。「夕顔の花のような」は「匂い」を修飾している。そして「夕顔の花のような」というのは、そのまま「比喩」でもある。
 だが。
 それは「余白」の「比喩」なのか。
 「余白」の「比喩」は「匂い」ではないのか。
 ことばが動いている。「意味」の「固定化」を拒否している。そして、こんなふうに展開する。

昨日も 今日も
晴れた日も 雨の日も




*

詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
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