2019年11月25日(月曜日)
「ある」と「ない」について書こうとしたが、書けなかった。
何もない「ある」がある。「無」が「ある」と書いてしまうと、違うのだ。「名づけられたもの」が「ない」。
何もないは「具象(名)」がないということである。「具象」はそこにはなくて、しかし、「何か」特定できないものがある。そこから「具象(名)」生まれてくる。「具象がある」という状態。「世界」が生まれる。それはたしかに「ある」のだが、それを「ない」と言ってしまうのが、最初に想定された「ある」なのだ。
もし「実在」するものがあるとすれば、「生まれてくる」という運動(具象を生み出す力)と、具象になった瞬間に「具象はない」と断定する力だけである。
そのふたつは、ともに「ことば」であって、それ以外のものではない。「ことば」は、そういうことを明らかにするためにある。