嵯峨信之『土地の名-人間の名』(1986)(22) | 詩はどこにあるか

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* (心の領地に)

心の領地に
ぼくの行つていない小村がある
その未知の村の片隅に
泉が小さく溢れている

 「未知の村」なのに「泉が小さく溢れている」ことがわかる。これは矛盾だが、矛盾だからこそそれが「真実」になる。「真実」とは「確信」のことである。
 泉の水が溢れるように、「信じる」という動詞が溢れる。他人にはわからなくても、嵯峨にはそれがわかる。



*

詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
オンデマンドで販売しています。100ページ。1500円(送料250円)
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