嵯峨信之『土地の名-人間の名』(1986)(18) | 詩はどこにあるか

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* (話はやめたまえ)

窓の外を見よう
いま流れている筏はみな雪がつもつている

 「つもつている」という動詞はこころを刺戟する。
 情景とは別に、こころにつもったままの何かがある。「つもる」は「重くなる」につながる。こころのなかに「重い」何かがあって、それが「雪がつもつている」ということばになる。
 「いま」ということばが、その「つもったまま」のものにスポットを当てる。

かつて
つぎつぎに流れてくる筏の上には屍体があつた




*

詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
オンデマンドで販売しています。100ページ。1500円(送料250円)
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