14 夏の絵画 | 詩はどこにあるか

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14 夏の絵画



抽象(的な論理)が
草むらからほどけていく
加筆可能な物語に
発光する蛇は登場しすぎた
未熟な舌は
日焼けしていない女の足の
不思議な色に触れる
「女は自分を決定せずに
生きていける」
古い言いぐさにほどかれて
くずれる色の内部に
新しい下描きが浮いてくる
抽象(的な姦淫)
女の曲線に巣をつくれば
脱出可能な(はずの)物語に
どんな罠が似つかわしいか
発汗する幼い蛇
何が起きるのかを待って
一点をながめつづける目から
再びあらわれ舌を動かす
まなざしの背後で夜は
深い呼吸をしている
抽象(的な構成)が
ぬるい風をたわめている



(アルメ236 、19855年09月25日)