高橋睦郎『つい昨日のこと』(130) | 詩はどこにあるか

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130  愚者ばんざい


愚者ばんざい
愚者の王が選ばれた
国民は愚者の国民になった
国家は愚者の国家になった
愚者の時代は少なくとも四年
国民がさらに望めば八年


 「四年」「八年」を手がかりに読めば、これはアメリカ合衆国とトランプ大統領のことを書いているのだろう。
 しかし、


愚者は何でもし放題
しかも何の責任もなし
これほど楽しいことはない
愚者の国は毎日がお祭り
ひたすら滅亡へ歌え踊れ
愚者ばんざい愚者の国ばんざい


 この部分を読むと、日本の姿を語っているとも読むことができる。
 だれも責任をとらない国。第二次世界大戦で、ドイツはヒトラーを裁いた。しかし日本は天皇の責任を追及しなかった。ここから始まった無責任体制は、いま、安倍の元でさらに拡大している。安倍は責任をとらない。かわりに公務員が自殺に追い込まれる。

 もう、日本は滅んでしまっている。
 私は「ばんざい」ということばで皮肉りたくはない。
 「云々」も読めない安倍は、「ばんざい」を風刺とは受け取ることができないだろう。「称賛」と受け取るだろうから。