消費増税、来年10月実施 | 詩はどこにあるか

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消費増税、来年10月実施
             自民党憲法改正草案を読む/番外240(情報の読み方)

 2018年10月14日の読売新聞朝刊(西部版・14版)。

消費増税 来年10月実施/2%還元 中小店舗に補助/首相あす表明

 という見出しで、記事が書かれている。ニュースのポイントは「2%還元 中小店舗に補助」のようだが、私はこのニュースに非常に疑問を持っている。内容もそうだが、なぜ、いまなのか、ということに非常に疑問を持った。

 内容の疑問点は。
 「2%還元 中小店舗に補助」といっても永遠にではない。半年から1年の期間限定で、しかもクレジットカードなどのキャッシュレス決済が対象である。これはキャッシュレス決済を進めるためのものだ。キャッシュレスだと、間に金融機関が入るから売り上げのごまかしがきかない。売り上げを完全に捕捉するための方法であり、「消費税のとりこぼし(?)」を防ぐためのものである。最長1年で取りこぼしがなくなら、それは国家財政にとって都合がいい。

 時期の疑問点。
 なぜ、いま? だいたい来年10月実施は、前からわかっていたこと。前回、消費増税を選挙対策で延期したとき、19年10月から実施すると明言していた。リーマンショック級のことが起きない限り、という条件付きだったが。今回の「あす表明」のなかにも、同じことが繰り返されるに違いない。つまり、いま消費税を上げればリーマンショック級の経済混乱が起きると判断すれば、また延期できるのである。まだ1年もあるからね。
 そうすると、注目しなければならないのは、来年10月までの1年に何があるかである。 天皇の生前強制退位、皇太子の天皇即位があり、統一地方選があり、何よりも参院選挙がある。
 参院選挙は、いまの憲法のままでは「合区」のまま実施される。
 安倍は、これを解消し、各都道府県から最低1人を選出するという「改憲案」を用意している。なんとしても「改憲案」を国民投票にかけなければならない。そのまえに、国会で発議しないといけない。だから、いま「消費増税」を明言したのだ。
 臨時国会が始まれば、国民生活に影響が大きい「消費税」の論議に時間がとられる。ほかにも外国人労働者の待遇をどうするかとか、経団連が強行する就職活動ルールの撤退をどうするかなど、将来にかかわる問題がたくさんある。つまり、「改憲」に論議を集中することができなくなる。これがねらいだ。
 さらに安倍は、天皇の生前退位強制、皇太子の新天皇即位の前後に「10日連続」の大型連休を用意している。国会の審議がそれだけなくなるということである。国民のためではない。国会を開かないようにするために「10連休」にするのだ。この10連休の前後には、安倍が「議論封じ」に活用する「静かな環境」ということばが、また持ち出されるだろう。新天皇が誕生するのに、政争で社会を騒がせてはいけない、という主張けだ。

 あらゆる状況を利用して、安倍は「改憲」を押し進める。来年の参院選までに改憲しなければならないという「タイムスケジュール」を最優先するために、なんでもする。
 どさくさのうちに、「改憲」を実施してしまえば、次は、また人気取り(次の選挙対策)のために「消費税は見送り」と言うに決まっている。きっと「消費税見送り」を争点として、衆院選が実施される。自民の議席をさらに増やすためである。
 では、そのとき中小店舗のキャッシュレス化推進はどうなる? レジの変更など、中小商店は対策が無駄になるかもしれないが、安倍から言わせれば無駄はない。なんといってもキャッシュレス化で金の動きが完全に把握できるようになるから。

 安倍の押し進めている政策は、一つ一つを取り上げるだけではなく、他の政策、他の現実とどうつながっているか、それを見ていかないといけない。
 いつでも「目先」をあちこちに振らせた、その奥でこっそりと軍事独裁への準備がされている。







#安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位 
 


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