自民党憲法改正草案を読む/番外237(情報の読み方)
2018年10月10日の読売新聞朝刊(西部版・14版)1面。
経団連 就活ルール撤廃/政府主導で新指針協議/21年入社から
読んで、ぞっとした。「政府主導で新指針協議」と書いているが、これは経団連の叛乱である。なぜ経団連が「就活ルール撤廃」するか。
この部分が「真相」を語っている。
経団連は企業による過剰な「青田買い」を防ぐために指針を定め、会員企業約1400社に順守するよう求めてきた。ただ、外資系やIT(情報技術)系を中心に経団連の指針と関係なく採用活動を進める企業は多い。
いまのルールでは「外資系やIT系」に優秀な(?)学生を奪われてしまう。欲しい学生を雇えない。そのことに経団連の企業はあせっている。
そして、これは実は「少子化」の悪影響が経団連に属している企業にまで及んでいることを示している。大企業が求める「新卒者」よりも学生の数の方がはるかに少ないのだ。求人倍率が高いのは少子化で労働力が不足しているからだ。企業が好調だからではない。このままでは企業が衰退する、と大企業が大慌てしているのだ。
私は、ここまで「少子化」の影響が深刻だとは気がつかなかった。もう年金生活なので、大企業がどういう状況にあるか、関心がなかった。円安で輸出が伸び、好景気と言っているなんてばかげている、くらいしか思っていなかった。だから、ぞっとした。
2018年10月08日の読売新聞朝刊(西部版・14版)は
専門学校35校 全員外国人/本社調べ 文科省 実態調査へ/就労目的の学生増加か
という見出しで、記事を書いていた。
しかし「就労目的の学生が増加」しているのではない。外国人を雇用するために(就労させるために)、企業があの手この手で外国人を日本に引き止めようとしているだ。
安倍政権(アベノミクス)は外国人労働者を安い賃金で使い捨てしようとしている。期限を限って雇用するシステムを作ろうとしている。しかし「期限限定」では決定的に「低賃金の外国人労働者」が足りない。企業が求めるから、こういう「不法」がはびこる。「経済優先」の政策が生んだ矛盾だ。もう、その矛盾は爆発寸前どころか、爆発してしまっている。
それが経団連にまで及んだのだ。
「就活ルール」など守っていたら、優秀な人材を雇用できない。そうすると企業の存続に関わる。「少子化」は、ここまで来ているのだ。
私の生まれ育った集落は少子高齢化が進み、20歳以下の若者はたった一人しかいない。これは地方の集落だけに起きる現象ではない。企業も、このままの状態では、若い労働者は入社して来なくなり、高齢者だけになってしまう。そういう企業が続出する。すでに中小企業ではそういうところもあるだろうが、大企業にもその波が押し寄せる。
さすがに「金」が実際に動いているところは敏感である。金の力で、さっさと労働力を確保する方針に転換したのだ。
これは、中小企業を直撃する。中小企業の労働力はますます足りなくなる。アベノミクスは大企業さえ守ることができない状態になっている。
気をつけないといけないのは「政府主導で新指針協議」という部分である。
学校教育が絡んでくる。安倍のことだから、もちろん学生(教育)を守る方向には動かない。学生をいかに経団連企業に就職させるか(その見返りに経団連企業から献金を受けるか)という方向で調整することになる。「教育費無料化」はきっと「経団連企業に就職する学生向け」が優先される。企業に従順な学生を育てる教育に金がつぎ込まれる。
読売新聞は、野上官房副長官の「学生に配慮し議論」というコメントを掲載しているが、安倍が学生に配慮するはずがない。大企業に配慮し協議するだけだ。
安倍は、「経済優先」という一方で、憲法を改正し、軍事に金をつぎ込もうとしている。これは「軍隊をつくって指揮官になる。北朝鮮、中国に侵略し、経済の活路を北朝鮮、中国に求める」ということを意味する。「中国や北朝鮮から労働者を日本に連れてくる(徴用する)」ということが最終的な目標だ。
第二次大戦に突入したかつての政府と同じことをしようとしている。
経団連はいまのところ政府に叛旗をひるがえし、「青田買い」に突っ走る方針のようだが、それでも労働力を確保できないとなれば、安倍の軍事拡張路線を支持するという方向に転換するだろう。なんといっても「金儲け」しか考えないのが経団連だ。
見方によっては、経団連は安倍に、早く戦争をしろとけしかけているとも読める。
#安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位
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