1(永遠はなにも言わない) | 詩はどこにあるか

詩はどこにあるか

詩の感想・批評や映画の感想、美術の感想、政治問題などを思いつくままに書いています。

嵯峨信之『開かれる日、閉ざされる日』(1980)を読む。



1(永遠はなにも言わない)

 エピローグの二行。

永遠はなにも言わない
ただ時の鐘をつるしているだけだ

 「永遠」と「時」が対比される。「鐘」は時を知らせる。
 永遠が何も言わないなら、「時(瞬間)」から何かを聞きとるしかない。「時」は何を語っているか。
 聞きとったものを「いま」に限定するのか、「永遠」へとつなげていくのか。
 このとき「言う」という動詞は、「時(いま)」から詩人に手渡される。