千人のオフィーリア(メモ21)
夜の時間がかすれた声で抗議した。
きのうの次がきょう、きょうの次があしたなんてだれが決めた。
きょうの次がおとついで、あさっての未来があしたでも、
私は困らないよ。
オフィーリアよ、いまこそ復讐せよ。
昼の時間がなれなれしい声で言う。
きのうがあしたの夢を見るなら、
あしたはきのうの夢にやってくる。
あさっての夢はきょうに嫉妬し、
しあさってはおとついの夢に呪いをかける。
私は困らないよ。
オフィーリアよ、いまこそ復讐せよ。
いま、いま、いま。
ことば、ことば、ことば。
朝の時間は透明な声で歌うのさ。
あしたがきょうのなかに押し入り
きのうはあしたにまたがって、
あさっての股からおとついが生まれる。
きょうがきのうにつながらない。
私は困らないよ。
オフィーリアよ、いまこそ復讐せよ。
*
詩集「改行」(2016年09月25日発行)、残部僅少。
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