千人のオフィーリア(メモ9) | 詩はどこにあるか

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千人のオフィーリア(メモ9)

辛抱できなくなるまで、辛抱した。
二度も。

満足させて、
嘘じゃないよ。
煽り立てて、
ほんとうだよ。
飽きさせて、
何もいわない。。

言いたいことはわかっている。
だから叫ぶ。
わからない、わからない、わからない。
大声でこころが叫んでいる。
それに負けないくらいに
喉を嗄らして。

信じられないほど
満足させ、
信じられないほど
煽り立て、
信じられないほど
飽きたなんて。

悲しいということばは
淋しいよりも
透明に聞こえる
鼓膜に流れ込む水の音。

耳の奥を流れる
血の音が
川の音を消す。

消えていく、オフィーリア。




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