湿った夜が終わり朝がはじまるとき | 詩はどこにあるか

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湿った夜が終わり朝がはじまるとき

湿った夜が終わり朝がはじまるとき、
古い瓦屋根が波のようにうねり広がり海になる。

灰色の諧調のなかから色があらわれて、
それを縁取る影は魚のように路地と路地のあいだを自在に動いていく。

それは、ことばの記憶の故郷のこと。
何かを間違えた次の日は、そうやって視力をととのえた。

湿った夜が終わり朝がはじまるとき、この街では
感情を劣化させる粗雑なものが不機嫌になる。





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