「天国の夏(ミズーリ人のために)」
それは淋しいことだが仕方がない (85ページ)
長い作品なので、この作品も1ページ1行ずつ選んでみる。
「淋しい」ということばは西脇のお気に入りのことばである。しきりに出てくる。そのせいだろうか、「仕方がない」と書いているのだけれど、どうも「あきらめた」という感じがしない。
むしろ、当然、いや「必然」という感じで響いてくる。
しかし、この感想は「正直」ではないかもしれない。「淋しい」ということばが頻繁に出てくるということを私はすでに知っている。だから、その熟知のことと「必然」を結びつけているのかもしれない。
「淋しい」を肯定して、その先へと動いていく感じがする。