
アメリカ映画は最近、家族愛が譲れぬテーマのようである。世界を救うのは大義名分ではなく家族愛。愛する家族を守るために闘う--その結果が国を救うということになる。世界を救うということになる。
帝国主義をカムフラージュするための方便かな……。
ということは、あまり話題にする必要もないのかもしれない。
この映画がおもしろいのは、一方に核兵器という巨大な兵器があり、他方にペンではなくてユーチューブという庶民の兵器があるということだね。綿密に仕組んだ計画も、瞬間的に盗られた映像の公開には負けてしまう。チャンスさえあれば誰でも情報を公開し、世論を味方にすることができる。
まあ、いいことではあるんだけれどね。
さらに。
だれもがスマートフォンをもつ時代(私はもっていないけれどね)、それを逆手につかってポケットベルを活用して情報を伝達する。だれも、そんなものをつかうと思っていないから、チェックしない。そういう情報網の「盲点」をつく。--これは、おもしろかったなあ。
やったね、という感じ。
で、そういう「小業」をていねいに描いて、一方で大仕掛けの銃撃戦、だけではなく戦闘機や戦車まで出てくる。視線のひきつけどころが、とても変化に富んでいる。情報量が多くて、それが、ひとつひとつ光っている。
カーチェイス(?)がホワイトハウスの敷地内に限定されているなんて、笑っちゃうよね。マリリン・モンローとケネディ大統領の密会のための秘密の廊下、なんてくすぐりもきちんと折り込んで、伏線もしっかりしている。
これは、まあ、脚本の勝利だね。
(2013年08月28日、天神東宝5)
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